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27人目。 ページ29

"人間"。

それって____どんな生き物なの?



私達____つまり、人間達の言う"魔族"よりも腹の内が真っ黒な生き物。

そう、認識していたのに…



______彼らは、何かが違った。



今までに出会った人間は、何かと『ぶつかった方が悪い』の一点張りだったのに……



___これは、今後の課題になるかも知れないな。





「……様、A様!」


「…ほぇ?あ、あぁ。なに?」






ジンが私に声をかける。

考え事をしすぎていたのか、ジンの話が耳に入らなくなっていたようだ。

ジンは呆れ切った表情で私を見た後、「休憩にしよう」と言って紅茶を持ってきた。







室内にダージリンの香りがふわりと広がる。


まぁ、私の紅茶は紅茶でも赤茶色ではなく本当に紅いのだが。実際には血液な訳だし…


かと言って血生臭いわけでもなく、ダージリンの香りが漂っている……言わずもがな、謎だ。




「全く…うちのお嬢様は何をそんなに考え込んでおられるのですか?」



向かいに座り、紅茶を口にするジン。
昔から、ジンに対してだけは素直になれない。



「いや、聞いてもらう程のことではない。」


「はぁ…

また御自分の中で溜め込むつもりなのですか?

貴方は、あの時の思いをまた繰り返して、御自分だけが苦しむおつもりなのですか…?」





私が否定すると、ジンは苦い表情で昔のことを掘り返した。

ジンに対して素直になれないのが何故かはわからない。
でも_____ジンに心配をかけたくない。

それだけは言い切れた。





「…A様、貴方のお父様を覚えていますか?」





ふと、ジンは私から話を聞くのを諦めたのか、父について問いかけてきた。
もちろん、私が覚えているはずもないのだが。





「覚えていないわ。
…私に、親なんて存在は無意味だもの。」





私は紅茶を口にした後、キッパリとそう冷たく答えていた。







私が親について知っているのは、ジンとなんらかの契約を交わしたって事と


____父と母の種族は違っていたということ。


それ以外には何も知らない。どっちが吸血鬼だったのかもわからない。
親の顔なんて……見たこともなかった。






「そうですか。
…それならいいのです」


「……そう。」




ジンは何かを言いたそうにしていたけれど、
私がそれを聞くことはなく……


もう一度だけ彼らと話したいという気持ちだけが強くなっていた。

もう一度彼らに会えば、わかる気がする。






この課題の____正しい『解答』が。

28人目。→←27…の前に、ご報告。



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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時

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