14人目。 ページ15
_________ねぇ、誰か…
…私と、遊ぼう?
「…あーあ。
ジンさんは私に仕事くれないし、A様は昨日の晩から変な感じだし…
仕事はやる気出ないし!!言いたい事も言えないこんな世の中じゃ…
ポイズン。」
私は________唯一、"感情"を持った人形。
随分と前に大好きだった女の子に捨てられて、処分される直前にAに助けてもらった。
今みたいに人の形をしてメイド服を着る前は確か…テディベアの姿だった。
今となってはそんなの見る影もないけど。
「ありの♪ままの♪花を、育てるのよ!!」
ゾウさんジョウロ片手に歌を歌いながらメイド服の裾をひるがえし続けること数分、休憩のチャンスは突然にやってきた。
「_________馬鹿!!知らないっ!!」
バタンッ
入り口の方から、突然Aの叫び声と共に、キツくとびらの閉まる音が聞こえてきた。
気になって少し近づいてみると、何やらジンさんがめんどくさそうな表情を浮かべていた。
「・・・どーしましたー?」
「…なんでも。」
苦笑しながらゆっくりと振り返ったジンさんは、かなり大人っぽくて、私にほんの少しの優しさを感じさせていた。
「・・・嘘ですよね?
あ、さてはまたA様に嫌味言ったんですか。
…私にはわかっちゃうんですからね?
貴方がどれだけ優しい人なのか」
私は、苦笑するジンさんに向かって、静かに言葉を続けた。
「…どれだけA様を思っていらっしゃるのかも、ね」
ドヤ顔を見せながら軽く笑う私に、ジンさんは酷く呆れた様子で首を振った。
「…何を言っているのですかね。そんなわけが無いでしょう?
…私はA様が死ぬまでの契約を果たすだけですよ」
そう、感情のこもっていない言葉で私を言いくるめようとした時だった。
_____不意に、私の第六感が働き始める。
なんとなくだけど___今、敷地内に何かが入って来た・・・と思う。
ジンさんも私が"侵入者"を感じ取ったことに気がついたようで。
「___少々無駄話が過ぎたようですね。
来客が来たようなんですが...頼めますか?」
「…嫌です。
って言っても聞いてくれないんですよね。
けど、私に任せるんだからそのお客さん達、後々どうなっても知りませんからねーだっ」
そうして、私は"憧れの人"に背を向け、早急に庭へと向かっていた。
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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時