11人目。 ページ12
少年は少女に微笑みかけた。
少女は、赤く腫れてしまった瞳をゴシゴシと
こすりながら立ち上がり、
そして_________
「…っ…。」
______不意に、ピシリと頭痛が走った。
こめかみの辺りを突き刺すような痛み。
いつの間にか、私は頭を抱えながら目を瞑っていた。
目を瞑ると浮かんでてくるのはあの頃の記憶。
______あの子にソックリだった頃の......悪夢。
『____Aちゃん、ちょっと付き合って!』
当時私はまだ小学三年生で、一部の人間だけが私を嫌い、他は大丈夫なのだと信じきっていた。
それに、私を呼んで来たのはいつも女の子達にいじめられていた女の子で。
尚更、安心が出来た。
「…?なぁに?」
『ふふっ…いいから速く☆』
「え、うん」
その日、その子はヤケに嬉しそうで______
"何かあったの?"と聞くと、その子はニッコリと微笑みながら私から目を逸らし、"うん。"と頷いた。
______連れて行かれた先は、屋上だった。
幸か不幸か、そこには私とその子しかいなかった。
『…ねえ。Aちゃん。
______ここから飛び降りてくれないかな?』
「…ぇ?」
すぅっと、血の気が引いていくのを感じた。
元から血液なんて物は少量しか流れていないのだが。
______その子は、笑顔で私を見つめていた。
『ねえ、速く』
「なん、で…?」
どんどん外側の.......
金網の方へと追い詰められていく。
『だって…
だって、あの子達はAちゃんをここから落としたら私をいじめないって約束してくれたもん。
それに、Aちゃんって私達より身体が丈夫なんでしょ?
ここから落ちてもへーきだって、ね?』
「そ、んな…
ここから落ちて平気な生き物なんていないよ!
…それに、吸血鬼は人間よりも身体が弱く出来てるんだよ…?
治りが速いだけで、人間よりも弱いの!!」
『…………。
____________嘘つき。
嘘つきウソツキうそつきぃぃぃっっ!!!!』
そうして、彼女は私を屋上から落とそうとして転落死。
私はその後、彼女の死体から血液をありったけ回収し、自宅にこもることとなっていた。
______もう、その日から人間に対する感情は何も抱かなくなった。
私を唯一人間と同じように見てくれた"彼ら"とも、それ以降、会うことはなかった。
______あ、れ…?
"彼ら"って、誰だっけ。
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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時