どこまでも、深く深く

十五話 ページ17

｢ロドリゴって家族いるの？｣

｢おるよ〜｣

｢どんな人？｣

｢いっつも俺に着いてくる弟｣



どこか懐かしそうに遠くを見る人魚
ビリジャンが溶けた



｢いいな...｣

｢Aは一人っ子なん？｣

｢うん、お父さんと二人で暮らしてた｣

｢寂しくなかったん？｣

｢ネルビオいるから大丈夫｣



ふすふすと鼻を鳴らしながら頭を近づけるネルビオ
わしわしと撫でられて落ち着くのか欠伸をする



｢俺が家族になろうか？｣

｢え、ヤダ｣

｢なんでぇ...優良物件とちゃうん？｣

｢どこかだよ！｣

｢寝かし付けるし、歌上手いし、慰めてもくれるんよ？｣



つらつらと述べる人魚を見て呆れる少女



｢彼女とか婚約者ぐらい居るんじゃないの？｣

｢おらんよぉ...全員断った｣

｢うわ、綺麗な顔してる割にはえげつない｣

｢なんやの...｣



シュン...とする人魚
少女はちょっとずつ距離をとる



｢Aは好きな人とかおるん？｣

｢いない、恋とかそういうのわかんない｣

｢なら教えたげる｣



水中から身を乗り出し
ちゅ...と唇にキスをする人魚



｢ばばば...バカっ！｣

｢ドキッとした？｣

｢してない！｣



全力で逃げる少女



｢やってもうた...外れたわ｣



人魚は少女の頬にキスをしようとしたらしい


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あまりにも思いつきすぎるので
休校明けまで週3更新にします
休校が明けたら週2になります

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