4本の薔薇 〜another story〜【Fischer’s】

言うならば、青天の霹靂 ページ17

私は今モトキくんの家にお邪魔している。

珍しいことに私とモトキくんだけでのメインチャンネルの撮影。

モトキくんと2人って初めてだったけど想像以上にスムーズに終わった。



「終わったー！」

モトキ「お疲れ様」

「モトキくんもお疲れ様！」

モトキ「思ってたより早く終わったね」

「ね〜。正直モトキくんと2人で撮影って不安だったんだけど、上手くいってよかった」

モトキ「ちょっと〜、俺じゃ不満だっていうの？」

「違う違う。私シルクくんとマサイくんとなら2人だけで撮影やったことあるけど、モトキくんとは初めてだったから」



でも私モトキくんのことFischer'sの中で1番の常識人だと思ってるから大丈夫。

さて、撮影終わったし帰るかな〜。

マサイくんも事務所から戻ってるかもしれないし。

今日マサイくんと一緒に料理する約束してるんだよね！



「じゃあモトキくん、私帰るね」

モトキ「えっ、もう？見せたい物あったのに」

「見せたい物？」

モトキ「部屋掃除してたら発見したんだよね〜」



そう言ってモトキくんは撮影した部屋から出ていった。

すぐに帰ってきた彼の手には分厚い本。



モトキ「じゃーん！中学の卒アル〜！」

「……私卒アルに載ってないけど」

モトキ「それは知ってるよ」



クラスごとに分けられてる個人の写真のページには3年生の時のクラスのところに私は載っていない。

夏休み中に引っ越したからね。



モトキ「でもスナップ写真には載ってるかな〜って思って」

「なるほど」

モトキ「探せばAちゃんも多分いるよ。この後何か予定がなければ一緒に探そうと思ってたんだけど」

「いいよ。予定はあるけど、マサイくんと夜ご飯一緒に作る予定しかないから」

モトキ「……2人はほんと仲良し夫婦だね」

「まあね〜」

モトキ「そこ肯定する辺りAちゃんらしいよ」



だって事実だからね！

まあ結婚した今も夫婦って感じはあんましないんだけど。

結婚する前から同棲してたからかなぁ。



「ねぇ、卒アル見せて！」

モトキ「はい」

「私いるかな〜。行事の時に撮られる写真って好きじゃなくて避けてたから中々いないかも」



自分で言うのもなんだけど、中学生の時特に仲が良い子っていなかった。

休み時間とか1人で本読んでることがほぼだったし。

え、もしかして当時の私浮いてた？



「……どこにも写ってなかったらそれはそれで悲しいな」

モトキ「流石にどっかにはいるでしょうよ」

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