4本の薔薇～another story～【Fischer’s】 (ページ16)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:71,983 hit

～ 3 ～ページ16

ぺけたんside

マサイとリズハの家に行くと何やら騒がしかった。

いや騒がしいのはいつものことなんだけどさ、ちょっと違う感じ。

リビングに入るとシルクに手招きされた。

シルク「ぺけちょい来て」

ぺけたん「ん？」

シルク「このボタン付け、誰がやったと思う？」

ぺけたん「……え、これボタン付けした後なの？」

シルクが差し出してきたカッターシャツのボタンはとても完成形とは思えない。

だって糸が酷いことになってる。

誰がこんなことしたの…。

ぺけたん「シルク？」

シルク「違ぇよ」

ぺけたん「じゃあザカオだ」

ザカオ「俺でもないよ」

ぺけたん「え？じゃあダホちゃん？」

ンダホ「違うよ～」

ぺけたん「そうなるとマサイ？」

マサイ「俺じゃない」

ぺけたん「え、じゃあ誰なの！？だってもっきゅんとAは絶対違うでしょ」

シルクとザカオは料理ができないから2人のうちどっちかだと思ったんだけど…。

俺的にはもっきゅんとAは最初から除外してた。

だって2人とも料理上手だし。

「私だよ」

ぺけたん「……は？」

「だから、それやったの私」

ぺけたん「……流石にそんな嘘には引っかからないよ？」

「いや嘘じゃないんだけど」

シルク「ぺけぺけ、これ証拠」

そう言われてシルクに動画を見せられた。

そこには指に針を何度も刺しながらボタン付けをしていくAが映っていた。

……はぁ！？

ぺけたん「え、これマジなの？」

「うん」

ぺけたん「……実は今日体調悪いとか」

「すこぶる元気です」

ぺけたん「実は視力悪くて今日はコンタクトしてなかったとか」

「両目とも裸眼で1.0以上はあるよ」

ぺけたん「……う、嘘だ！！！」

マサイ「いやこれマジだよ」

シルク「現実を受け入れろwww」

ザカオ「まあぺけの気持ちも分かる」

ンダホ「うん」

ぺけたん「え、だってA料理上手じゃん！！」

「料理と裁縫は全然違うでしょ。私裁縫の才能ないんだよね」

モトキ「びっくりしたっしょ。俺達もびっくりした」

ぺけたん「びっくりしたとかの問題じゃないんだけど！？」

Aこんなぶきっちょさんだったの！？

今までどうしてきたの！？

そう聞けば昔はお父さんに、今はマサイに丸投げしてるらしい。

もう一度件のボタンを見る。

これ下手とか苦手の域超えてない？

何で糸がこんなになるの……？

ぺけたん「……Aにもここまで才能ないことがあったんだね」

何か、ある意味安心したよ。