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本部に向かう途中、Aはずっと僕に引っ付いていた。
まぁ、別に嫌じゃないけど慣れないから少し戸惑った。
「風間さん、」
「何だ?」
「・・・消すんですよね」
「規定だからな。逆らう訳にはいかないだろう」
そうだ、それが正論だ。
でもそれに逆らってでも消したくないと思う僕は可笑しいんだろうか。
「あれ、風間さん?」
後ろからそんな声が聞こえた。
「・・・迅」
風間さんのその一言で、後ろの人物が誰なのか把握した。
「あれ、その子は?」
「保護した一般人だ」
「へぇー・・・
ん?なんか君見た事・・・」
迅さんがこう言ったと同時に、僕の後にいたAが前に出てきて迅さんに深くお辞儀をした。
「あ、この前の・・・えーっと、九条さんだっけ?やっほー・・・っていうか、聞こえないんだったね」
・・・どうしてその事迅さんが知ってるんだろ。
ヘッドホンまでして耳の事を隠したがってるAが自分から語るだろうか。
いや、多分迅さんが気付いたんだろうな。
「・・・あの、迅さん」
「どうした?菊地原」
「・・・コイツの事知ってるんですか?」
「ああ、先日たまたま寄ったコンビニにナイフ持った強盗入ってきてさー・・・店員さんを人質取られたから正直俺も動ける状況じゃなくて、それでその時あっという間に強盗をちゃっちゃと捕まえたのが九条さんって訳」
ほんと俺の立場無くしちゃったよーと付け加えて言った。
は?何それ。相当危険な状況じゃん。
しかもナイフ持ってる相手に立ち向かうなんて、ほんと馬鹿だ。
しかも捕まえたって・・・迅さんでも無理だと判断した状況なのに。
久しぶりに会った彼女に謎が次々に増えていく。
「まぁその後は俺が警察呼んだりして後処理はしたんだけど、それでお互い顔を覚えてたって訳。
それにさ、多人数相手なのに相当強かったし・・・
動きも中々だったから、さ」
「・・・ほう」
そして風間さんがそう呟いた。
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ましゅ**(プロフ) - 内容がとても好きです。続き楽しみにしています!頑張ってください! (2017年1月5日 0時) (レス) id: 61a1643554 (このIDを非表示/違反報告)
霧羽蒼唯 - すごくこの、きくっちーの距離感、心境の表現が好きです!!更新頑張ってください!!応援しています!! (2016年4月23日 9時) (レス) id: 47c79eb45e (このIDを非表示/違反報告)
南瑠璃(プロフ) - こたきんぐさん» ありがとうございます! (2016年4月10日 21時) (レス) id: b005845afa (このIDを非表示/違反報告)
南瑠璃(プロフ) - ひさやさん» ありがとうございます(人´口`) (2016年4月10日 21時) (レス) id: b005845afa (このIDを非表示/違反報告)
南瑠璃(プロフ) - soyonさん» ありがとうございます\(°∀° )/ (2016年4月10日 21時) (レス) id: b005845afa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南瑠璃 | 作成日時:2016年4月7日 0時