治くんは、おさまらん。 (ページ43)

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治くんは、勘違いがおさまらん。ページ43

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そして＿＿＿ついにやってきた春高本戦。

とは言っても、今日は一日目のためシード校である私達は試合はなく、他校の試合観戦のみ。

お、どうやら目の前の試合は烏野が勝ったらしい。ってことは明日の相手は烏野か.......。
なんか楽しみやなぁ。

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その後、治くんがトイレに行きたいと言い出し、一人で行ったら迷子になる可能性があるため付き添いで私も行くことに。

そんで、治くんがトイレにいる間、私は扉の外で待つ。

すると、目の前に黒い集団が通った。

あ、烏野やん。そう思ってじーっと見ていると、烏野の金髪の方のマネージャーさんが、通りすがりの男性にぶつかった。

.......って、ん？

私はある異変に気づき、彼らの方へ駆け寄る。
そんで、マネージャーさんにぶつかった男性の腕を掴む。

こいつ.......間違いなくスリ師や。

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『.......なぁ、お兄さん、ほんま随分可愛らしいお財布持ってはるんやなぁ？』

「.......っ！！こ、これは！」

『.......あんま騒ぎ起こしたくないんはお互い様やろ？ってことで、さっさとそのお財布返すことやな？』

「ﾁｯ!!」

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そう言ってお財布を捨てて、スリ師は逃げていった。

と、少しため息をついていると、

後ろから「かっけぇ！！」と大きな声がして、驚いて振り向くとそこには烏野のオレンジ君率いる、烏野の皆さんがいた。

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「本っ当にありがとうございました！！
というか私が不注意なあまりに貴方みたいな女神様に大変なご迷惑を.......」

『ふふっ、女神やなんて大層やなぁ。
はい、これ人多いとこはちゃんと気ぃつけや？』

「しゃ、シャチ！！」

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シャチ.......？なんかわからんけど可愛ええなぁ、とホッコリしていると、

急に目の前にオレンジ君とセッター君が来た。

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「にしても、お姉さんすげぇ！！
なんで分かったんだ！？？」

「.......てか、そのジャージ！
宮さんと同じところですよね！？」

「ええ！そうなのか！？すげぇ！！？てか誰だそれ！？」

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.......なんかすごい質問の羅列でついてけへんねんけど！？

え、どないしよ.......？と戸惑っていると、後ろからグイッとすごい引力で何かに引き寄せられた。

後ろを見ると、そこには.......

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『お、治くん！？』

「おい.......俺の彼女に何ちょっかいかけとんねん。」

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え、怖！めっちゃ声低いねんけど！？
てかめっちゃ勘違いしてへんか.......！？

治くんは、勘違いがおさまらん＿＿＿．

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