治くんは、おさまらん。

治くんは、嫉妬心がおさまらん。 ページ44

・


『.......という訳や。
ほら、勘違いしてめっちゃ睨んでんから、
とっとと謝りや。』


「うっ.......すまんかったほんまに。」

「は、ハイ！いいえ！」

「『どっちやねん』」

「うお！？本場のツッコミ！！すげぇ！！」



・


ちゃんと、事情を説明して、治くんにも謝ってもらってとりあえず一件落着.......？

ちなみに私がスリを見抜けたのは、お父さんが警察官のエリートさんやから。

まぁ、この前の護身術もその影響やな。


にしても、オレンジ君めっちゃ可愛ええなぁ。

でもこの子、試合中はあんなかっこええねんもんなぁ。

と、ぼんやり考えていると.......
気づけば治くんとセッターくんが話していた。


・


「あ、あの宮さん.......ですよね？」


「君は、確か飛雄くんやんな？

君とユース合宿であったんは、宮は宮でも双子の片割れの侑の方やで。」


「うおおお！双子かっけぇぇ！！」


『さっきからオレンジ君、うちらにかっこええかっこええ言うとるけど、

君らの速攻含め、
烏野のチームも、皆かっこよかったで？』


「「.......！あ、あざっす！！」」


「！まぁ、当然俺らの方がかっこええけどな？
やから、明日勝つんは俺らや。

.......ほんじゃあな。」


「「.......？俺たちだって負けません！！」」



・


治くんはそう言って何故か少し不満そうな顔で張り合ってから、私の腕を引っ張って烏野の人達から離れて、皆の元へ歩いていく。

.......その間ずっと無言。

もしかして.......


・


『治くん、怒っとる？』

「ああ、怒っとる。」

『.......なんでや？』


「やってAが、相変わらず危機感ないし、烏野の人らと距離近いし.......

それだけやなくて、俺にはあんま“かっこええ”って言うてくれんのに、烏野の人らには、
すぐ“かっこええ”って言うし.......

ようは、嫉妬してん。
ほんま心狭くてごめんな。」



・


頬を少し膨らませて拗ねながら言う治くん。

なにそれ.......妬いてくれてたとか嬉しいとしか思えへんやん。


・


『.....？なんで謝るん？そんだけ私の事想ってくれとる証拠やろ？

あと、治くんはいつもかっこええから、
言ってたらキリないから言わんだけやで。』


・


私が少し照れながらもそう言うと、
治くんは少し機嫌を直したみたい。

その後、宿までのバスで、「妬かせた罪や」言うて、ずっと抱きついて甘えてきたんは、可愛かったから許すことにする。


治くんは、嫉妬心がおさまらん＿＿＿＿



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治くんは、頼もしさがおさまらん。→←治くんは、勘違いがおさまらん。

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