離反を防ぎたいが故に夏油傑を洗脳してしまった。

５． ページ6

・

それからというものの私はその弱みに漬け込み続けた。


Aは私の心を洗脳の術式で支配してしまっていると思い込んでいる。
だが本当はその逆なのだ。
寧ろ私が彼女の弱みに漬け込んで、彼女の心を完全に支配しているのだ。

Aは自分が私の手のひらで転がされていることなんか微塵も気づかず、ただ毎日罪悪感を感じ続け、その結果どんな私の願いでも必至に叶え続ける。


「Aのことが好きだ。
私と…付き合ってくれないか？」

「…喜んで！」


そう、これが私なりに考えたAへの愛であり、私の心を置き去りにしたAと悟への復讐でもあった。



──嗚呼、なんて馬鹿で可愛い、私だけのマリオネット。

これからもその罪なき罪を拭うために必死にもがき続けてくれよ。私の手のひらの中で愛おしく踊っていてくれよ。


そして───

お願いだから、いつか、いつか、たった一瞬だけでもいいから…私だけを見てくれないか？本当の私を必要としくれないか？

…お願いだから、本当の私を救って欲しいんだ。
頼むよ…もう、ずっと前から苦しいんだ。

……ははっ、なんてね、ただの冗談さ、どうか気にしないで。



・



私はどんだけクズになったとしても、どんだけ嘘をつき続けても、君が望んだ変わらない日常を守るだけさ。




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【設定】


〇脳(なずき) A〇

・特級呪術師

・術式→「思考操術」
※他者への「反転術式」も可能

・自分のエゴから傑を洗脳してしまったことの罪悪感を感じ、それを少しでも拭うために傑の願いをなんでも叶えようとする
・悟のことが好きだが…


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〇夏油 傑〇

・本当は洗脳の術式は解けているが、解けていないふりをする
→Aの罪悪感を利用して、Aに悟への恋心を諦めさせて自分の傍に置くため
→術式が解けて自分が全てを知っていることがAが気づいたら、Aの大切にしていた変わらない日常は完全に崩壊してしまうから、それを防ぐため

・Aのことを心の底から愛している


─────────


〇五条 悟〇

・Aが傑に洗脳の術式をかけていたことには気づいていたが、それを機に傑が元通りになったし、Aを信じているため黙っていた

・Aのことが好きで、自分たちが両想いであると分かって余裕ぶっこいてたら、とんでもないことになってた


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