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何も言えず立ち尽くしていると、
「上杉、いい加減機嫌直せよ。」
黒木君が上杉君の肩に手を置いて仲裁に入ってくれた。
「アーヤ、上杉はね、単なるやきも……
黒木君が言い終わらないうちにバチンッとすごい音がする。
びっくりして見ると、上杉君の拳が黒木君の掌にある。
「黒木、忠告したはずだ。余計な事を言うな。」
憤然たる瞳と冷徹な眼差し……睨み合う二人。
男子の本気の喧嘩を見たことが無い私は怖さと驚きで息を呑む。
ほんの数秒間でも、とても長く感じた緊迫。
しかし、先に緊張を解いたのは黒木君。
「わかったよ、邪魔者は退散するよ。」
受け止めた拳を下ろすと何事も無かったかのように歩き出した。
「黒木君！塾は？」
情況が理解できていない私は慌てて声をかける。
が、自嘲的笑みを浮かべ、
「サボり。」
片手を振りながら行ってしまった。
上杉君はため息をつきながら黒木君の後ろ姿を見送ると、私に向き直る。
「で、あいつらの違いは分かったのか？」
「ん…と……クセらしいのは千さんを見ていて見つけたけど、壱さんを見てみないと……」
「………立花、あいつらの決定的な違い、分からないのか？」
うん……
「たく……逆上せてんじゃねーよ。」
え？ 逆上せてって……どういう意味！？
「どうせあいつらの顔、まともに見てねーんだろ？」
う……確かに。
何度か顔を間近に寄せられた事はあったけど、まじまじと見ることなんてできなかった。
だって私、女の子だよ。
恥ずかしいに決まってるじゃない。
逆上せてる。なんて心外だわ！
「まぁ、いいさ。明日、学校終わったら駅で待ってろ。あいつら見分けてやるよ。」
自信たっぷりの顔が少し悔しい。
何日も通って二人を見てきたのに、私には決定的な違いが分からない。
でも上杉君は会ってすぐに分かったなんて……
協力してもらえるのは嬉しいけど……何だか複雑……
その日の夜、布団の中で考える。
初めて会った日から今日まで、覚えている限りの二人を思い出す。
姿、話し方、仕草……
・・・・
ん？ 仕草？
あ……もしかして……あったかも！？
二人が気づいていないクセが。
上杉君には分からない、二人を観察して見つけた成果が。
たぶん、間違っていないはず……
込み上げる自信にほくそ笑みながら眠りについた。
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千祥(プロフ) - nana 名無し82170号さん» 楽しんでいただけたなら、とても嬉しいです。読んでいただき、感謝！です。ありがとうございました！ (2018年11月11日 23時) (
レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
nana 名無し82170号(プロフ) - 面白すぎ!!見てる時ずっと爆笑してた (2018年11月10日 11時) (レス) id: 2b0f8564ed (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 大河さん» 忍のスカート丈は膝上or膝下orロングどれでしょうね…私はロングであって欲しいと切に願っております(^_^;) (2017年12月14日 22時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
大河 - 忍うう〜！スカートやめてくれ！まぎらわしいぞ！！ (2017年12月13日 21時) (レス) id: bba2598702 (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 恋檬さん» ありがとうございます(^^) (2017年12月3日 0時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
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