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「あのさ、もうすぐ俺……いや、なんでも無い……」
何？ 昨日から田辺君、何が言いたいの？
「これ……」
白い薔薇を差し出してくる。
「いいの？私、入る時に紅い薔薇を貰ったよ。」
「気にすんな。立花に貰って欲しいだけだから……」
影を帯びるはにかみを疑問に思いながら、そっと両手で受け取る。
「ありがとう……」
「今日も送って行けないけど、気をつけて帰れよ。」
立ち上がって私の頭にポンッと手を乗せた。
「うん。また学校で。」
「うん……そうだな……学校で……」
田辺君、一体どうしたの？
今日のライブは楽しくなかったの？
お客さんが言ってた『最後』ってどういう意味？
聞きたいけれど聞けない臆病な私は軽く手を振って別れた。
炎になれなかった胸の灯火は、紅から蒼へと燻りながら変わっていく。
別れ際に見せた淋し気な瞳が頭から離れない。
白い薔薇を持ったまま家の近くの角を曲がると、ユラリと人影が動いた。
驚いて顔を上げると翼が目の前にいる。
「アーヤ……遅かったね。」
翼、こんな処で何してるの？
「少し、いいかな？」
私の返事を待たずに家と逆方向へ歩いて行く。
黙って付いて行くと、大きな家の長い壁際で立ち止まった。
「今日、KZの集合かかったの、知らないでしょ？」
そう…なの？
「若武がクラスまで誘いに行ったけどいないし、この前もアーヤ、突然帰ったからすごく怒ってたよ。」
私は血の気が引いていく。
次に会った時、黙って帰った理由を追及されるのが恐い。
素直に田辺君の事を話すのは選択肢に無く、私は皆に嘘をつこうとしている。
理由は……今の私には分からない……
「Rose in the Moonlight……月明かりに薔薇を……」
え？
「ライブに薔薇を持って……ちょっと有名だよ。田辺のバンド。」
そうなんだ……でも、私が田辺君のライブを見に行ってた事、何故知ってるの？
「最近アーヤが田辺とよく会っている事は調査済み。……アーヤ……田辺のこと、好きなの？」
な、何言ってんの！？ そんなはず……
完全否定できない自分がここにいる。
『好き』と言う異性に対する感情がまだ分からない。
それでもKZのメンバーとは違う想いがあるのは事実。
「……戻っておいでよ……アーヤ……」
切ないような、懇願するような瞳に返す言葉が見つからない。
私はKZから脱退した訳ではないし、友達を辞めた訳でもない。
翼が言っている真意が分からない……
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千祥(プロフ) - nana 名無し82170号さん» 楽しんでいただけたなら、とても嬉しいです。読んでいただき、感謝！です。ありがとうございました！ (2018年11月11日 23時) (
レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
nana 名無し82170号(プロフ) - 面白すぎ!!見てる時ずっと爆笑してた (2018年11月10日 11時) (レス) id: 2b0f8564ed (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 大河さん» 忍のスカート丈は膝上or膝下orロングどれでしょうね…私はロングであって欲しいと切に願っております(^_^;) (2017年12月14日 22時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
大河 - 忍うう〜！スカートやめてくれ！まぎらわしいぞ！！ (2017年12月13日 21時) (レス) id: bba2598702 (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 恋檬さん» ありがとうございます(^^) (2017年12月3日 0時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
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