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うっすら開いた目は私を睨むよう。

うっ……田辺君って少し恐いんだよね。

ヤンキーではないみたいだけど、髪は少し茶色いし、前髪はオールバックみたいに上げてて、肩より少し長い髪はいつも束ねられている。

そして何より眉毛が細い!
キリッと整えてあるんだけど、他の男子より細め。だから鋭い目付きとセットで恐い印象。

ゆっくり身体を起こしながらヘッドフォンを外す。
「何?」
低い声で不機嫌そうに聞かれたから萎縮しちゃう。
でも早く伝えて教室に戻らなくちゃ。

「あのね……
言い出したその時、ふとベンチ下に落ちてる物が目に入った。
三角の白いプラスチック。
拾って田辺君に見せると、「あぁ……」と言って笑みを浮かべた。

あ……笑った……
何だろう……この感じ……
恐いと思っていた先入観が崩れ、さっき青空を見た時のような感情が沸き起こった。

「これ、何?」
拾ったプラスチックを掌に聞いてみる。
「ピックだよ。」
「ピックって?」
「なんだ、そんなのも知らないのかよ。」
優しい声色はバカにされてるんじゃ無いことが分かる。
私を見上げる顔は嬉しそうに答えてくれる。
「これはギターやベースを弾く時に使う。これで弦を弾いて音を出す。」
ふ〜ん……聞いた事はあるけど、実物を見るのは初めて。

「どうして田辺君が持ってるの?」
「……俺…ベース…弾くから……」

えぇ!? ちょっと、いや大分ビックリ!
だって全然イメージじゃ無い!

「そうなの!?じゃあ、バンドとかしてるの?」
「あぁ、組んでるよ。」

尚ビックリ!
どちらかと言うとバントなんかバカにして、『どいつもこいつもウザいぜ』って世間を見下してるタイプだと思ってた。
だからお昼休みのこの時間でも一人なんだ。と。

「見てみたい?バンド……」
「見たい!」

ん? 私、何で即答してるの?
自分で自分に驚いた。
田辺君の意外性に嬉しいから? それとも誘われたから?

「これ……よかったら来てくんない?」
渡された紙を見ると、それはライブのチラシ。
黒いスーツで髪を少し立たせて、お化粧をしている四人組がダークな感じで写っている。

うわっ……ちょっと怖い……

「俺、どれだか分かる?」
一瞬胸が跳ね上がった。
田辺君が見せた子供みたいに悪戯な笑みが予想外に可愛くて……
チラシをもう一度見てみる。

・・・・

う〜ん……皆同じに見える……
「ごめん、分からない。」
申し訳無い思いで答えると、嬉しそうに更に笑顔を強めた。

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千祥(プロフ) - nana 名無し82170号さん» 楽しんでいただけたなら、とても嬉しいです。読んでいただき、感謝!です。ありがとうございました! (2018年11月11日 23時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
nana 名無し82170号(プロフ) - 面白すぎ!!見てる時ずっと爆笑してた (2018年11月10日 11時) (レス) id: 2b0f8564ed (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 大河さん» 忍のスカート丈は膝上or膝下orロングどれでしょうね…私はロングであって欲しいと切に願っております(^_^;) (2017年12月14日 22時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
大河 - 忍うう〜!スカートやめてくれ!まぎらわしいぞ!! (2017年12月13日 21時) (レス) id: bba2598702 (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 恋檬さん» ありがとうございます(^^) (2017年12月3日 0時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千祥 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月28日 0時

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