十八話 ページ19
五条side
「……………」
いない。
どこを探しても、影すら残らずに消えたように。
「……………どこ行ったんだよ…アイツ…」
誰も、いない。
すべてに、見捨てられたような気分だった。
時はもう既に、夕暮れ。
彼女は帰ってこないまま、一日が終わろうとしていた。
傑にも、硝子にも電話をかけたが、誰も出ない。
本当の意味の、孤独だった。
そして。
やっとの思いで、俺は行くべきところへと足を向けた。
呪術界の上層部。
上層の会議室。
そこに行けば、何かあるはずだった。
それも、彼女が上層に捕捉されているからである。
その理由は、彼女にかけられた、ある“呪い”のせいだった。
──────『殺 されない限り死なない呪い』
死なない。老いない。
それが、彼女にかけられた呪いだった。
二十歳を過ぎたところで、彼女の成長は止まり、そして死なない。
その呪いを解くには、
──────殺 されること。
そして、その忌まわしい呪いにより、彼女は、呪力、術式を封じられた。
硝子の言う、『天与呪縛じゃない』という根拠は、恐らくそこにあるのだろう。
呪いにより才能を封じられた、彼女は。
一体どこに行ったのだろうか。
そして、会議室の扉を開く。
そこは──────
──────血。
──────真っ赤な、血。
完膚なきまでに解体された、死 体。
残虐に、無残に、凄惨に、残酷に──────
権力に溺れた、醜く、ふてぶてしい彼等が、
虐 殺され、惨 殺された──────
──────真っ赤な、部屋だった。
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紫夜乃 - ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - そうでしたか!わざわざありがとうございます!これからもこの作品が完結するまで楽しく読ませていただきたいと思います。更新頑張って下さい!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - ごめんなさい!二十二話の前の・の所で作者挨拶の後に二十一話が入ってます!分かりづらかったので後で修正しておきます!これからも応援よろしくお願いします! (2021年7月4日 9時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!あと質問なんですが21話って非公開か作中だったりしますか?22話公開されてるの見たのですが話がぶっ飛んでて困惑してますw (2021年7月3日 23時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - コメントありがとうございます!更新は遅いですが、がんばります! (2021年4月29日 20時) (レス) id: fef3ff785e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫夜乃 | 作成日時:2021年3月27日 16時