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#143 ページ31

「姉御ぉぉぉぉっ!!」

「ちょっ、なになにっ!!?どうしたよ」

道場の敷地に足を踏み入れたら途端、勢いよくタックルを決め込んできたゴリオくんを片腕で抱きとめる。

いや、飛びついてくるのはいつものことだし、受け止めるのも慣れたけどさ。
今日は、何故かそのゴリラが泣いてるのだ。

おうおう、吠えるな暑苦しい。

「先日、聡悟に聞きましたよ!!姉御!!」

「何を」

くわっと食らいつくように叫ぶゴリオくん。
こらこら、朝っぱらから叫ぶな。

「惚けちゃって!!この自分を差し置いて、弟分をつくるだなんて!!」

「お前は私の彼女か!!」

何を泣いてるかと思えば……
軽くチョップをお見舞いしてやった。


**


「アネゴ、待ってた。聞いたよ。透瑠と、あの猫目商人見習いと義兄弟になったんだ?」

項垂れるゴリオくんを後ろに引き連れ、道場に入ると惟舞がパタパタとやって来た。今日は私がしごく約束をしていたのだ。

「そうだよ、弟分が増えたんだ〜」

そう返せば、幸助も側へやって来て

「いいねぇ〜、俺もAさんの弟分に立候補していい?」

「おぉ? また、お父上方からの差し金かな?」

そう意地悪を言ってやれば。

「あ、バレたか。まぁ、それもあるけれどさ。俺個人的にも。狐さんともっと仲良くなりたいんだよ」

そう言って幸助ははにかんだ。
気恥ずかしくなったのか、すぐに「ってことで、俺はどう?可愛い弟分になると思うけど?」照れ隠しのように軽口を言う。

「アネゴ、俺も立候補する」

便乗するように、惟舞もピンっと挙手をした。

「なぁに言ってんの。君らはとっくに私の可愛い弟弟子。弟分のようなもんじゃんか」


ちょっと胸を打たれた私は、2人の頭をくしゃくしゃに撫で回してやった。
すると2人ともハッとしたように「なんだ、既に弟分だったじゃん」と笑い出した。

一歩引いてコチラを見ていた澄空も、頬をむにゅむにゅと挟み込んで構ってやる。

「勿論、君だって私の可愛い弟分だからね」

「……あぁ」

素っ気なかったので、しばらくムニムニと弄り回してから解放した。
「なんで俺だけこの扱い……」という言葉は聞こえないフリだ。
とは言え、少し赤くなってしまった頬に罪悪感を抱いたので。冷たい水で絞った手ぬぐいを渡して謝った。

その間ずっと後ろから、ねっとりじっとりとした視線を送られていた。
正直ウザったい。

「あぁ、近藤さんはだな……」

私の心境を察した有能な澄空は、私の耳元でごにょごにょ。
ふんふん、なるほどねぇ。

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imperatoris - 100票目頂きました! あざっす! (2018年8月6日 0時) (レス) id: 9caab1c44f (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 冬乃さん» コメントありがとう。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、其の伍にてお待ちしております。今後とも是非御贔屓くださいませ。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 幸さん» コメントありがとうございます。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、続編にてお待ちしております。今後とも御贔屓に。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
冬乃(プロフ) - 続き待ってます! (2017年12月27日 22時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2017年12月7日 12時) (レス) id: 8ce45858db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこまめ | 作成日時:2016年7月9日 19時

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