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#141 ページ29

前回のあらすじ。
なんか有村兄弟が要らん遠慮を始めたぞ。妹達よ、君らからもこの不器用兄弟に言ってやって。

私はそっと妹達の肩をトンと軽く押す。


「充瑠にぃ、とーる。ウチに来いよ!!」

「充瑠お兄さん、透瑠くん、もう此処に帰って来ないの?」

「兄上……」

子供達のしゅーんとした顔に見つめられて、充瑠は「あ、いや、でも」と口ごもる。

▽効果はばつぐんだ!!

このちょろい友人には泣き落としがよく効くのだよ。

「充瑠、此処に帰りたくなければ帰らなければいいんだよ。私達はただ、君達の止まり木の1つになればいいと思ってる。もし変な遠慮とかしているならそんなの無意味だから、止めてよね」

君は私の大事な友達なんだから。
遠慮は要らないよ。好きに生きて、無遠慮に頼ればいい。私もそうするからさ。


「……っ、そうかィ。そうかィ。……まったく、この神様には叶わしねぇーや」

充瑠は眉を下げて、脱力したように。それでいて朗らかに笑った。

「なんでィ、俺が悩んでたのは全部無駄だったんじゃァねぇかよ。

……いくらアンタが“ただの村娘”を自称したところでこの村では、間違いなくアンタは神様でィ。
そんな人に俺らばっかし目ぇかけてもらっちまうのは、ちと体裁(てぇせぇ)が悪ィ。アンタに面倒がかかっちまうと思ったんだがねィ」

なるほど。
本当、君ってやつは……。

「まったく、下らん悩みだね。そんなこと言ったら、私一生ボッチじゃねぇかよ。そんな体裁なんざ気にしたくないね。
だからさ、充瑠も気にしなくていいよ、というか、寂しいからむしろしないで!!」

「兄上…っ!?」

勢い余って、思わず充瑠の肩を強く掴んで振り回してしまった。我ながら必死過ぎて笑える。
でも、仕方ない。この世界で初めて出来た友人、手放すものか。

「ちょっ、落ち着いてよ!!充瑠にぃが!!」

ハッ!!
まずい……RCP(Real Control Program)ちゃんと起動してたよね!!?脱臼とか、骨粉砕してないよね!!?

「あぁぁっごめん充瑠!!痛くない!?肩外れてない!?元気!!?」

「……大丈夫、元気でィ。だから揺らすな……っう」

慌てて安否確認取ると、充瑠は具合悪そうに目を回して応えた。
よかった、ちゃんと起動してた。昨日特訓して切ってたから心配したけど、問題無かったか。

充瑠の肩も無事だ。

……耳鳴りが。くーくる?

《まったく、感謝してくださいね》

〜っ、先生ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ貴方様のお陰でしたか!!!
はいっ、心から感謝します!!

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imperatoris - 100票目頂きました! あざっす! (2018年8月6日 0時) (レス) id: 9caab1c44f (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 冬乃さん» コメントありがとう。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、其の伍にてお待ちしております。今後とも是非御贔屓くださいませ。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 幸さん» コメントありがとうございます。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、続編にてお待ちしております。今後とも御贔屓に。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
冬乃(プロフ) - 続き待ってます! (2017年12月27日 22時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2017年12月7日 12時) (レス) id: 8ce45858db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこまめ | 作成日時:2016年7月9日 19時

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