#138 ページ26
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り。
送別パーティ程々に、明日も早いからね。皆で身を寄せあって雑魚寝。最近は冬が近いせいかよく冷える。まだまだ子供体温なみつばちゃんはとても暖かかった。
妹達が眠りついたのを見計らって、私はこっそり布団を抜け出す。ちょっとばかりやりたい事があってね。
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「透瑠〜っ、病気すんなよ。ちゃんと食べろよ」
「うん。わかったよ。そーごもね。あまりA姉さんを困らせないように」
「……うるせぇやい」
「透瑠くん、元気でね。充瑠お兄さんとなかよくね」
「もちろん。ありがとう、みつばちゃんもお元気で」
辰の刻3つ、だいたい八時半頃。1ヶ月と言う、長いような短いような離別の時がやってきた。妹達はギュウギュウおまんじゅうのように抱きあい、別れを惜しんでいる。
とても可愛いというかもはや天使の塊、癒しの具現と言って過言でないんじゃないかな。むしろ、これを天使と言わずに何を天使というのか。
〈マスター、口から言わんとすることが溢れそうです〉
小声に出てた。くーくるから指摘され、慌てて思考を断ち切る。
yesロリショタ、noタッチ。
日に日に身内に限り、自分が変態となりつつある。え。今更?……そんなことはないと信じたい。気を引き締めなくては。
緩んでいた頬をきゅっと締める。
「透瑠くん」
「はい」
愛らしいおまんじゅうタイムが落ち着いたところで、透瑠に声をかけた。
膝を着いて私が見上げる形になり、真っ直ぐ透瑠の顔を見る。相変わらずの美少女っぷり、人攫いに遭わないかひたすら心配だ。
「ん、顔色もよくて元気そうだね、良かった。長旅になるだろうし、調子悪くなったらちゃんと言うんだよ。充瑠は変なところで察しが悪くて不器用じゃない?」
優しく、透瑠の頭に手をのせる。
後方からなんだかムッとした気配が漂って来たので慌てて「基本は頼れるナイスガイなのにね」と付け足した。
「……ないすがい?」
伝わらなかった。開国間もない日本人に横文字は苦だったか。失敗。
「だから、ちゃんと言葉にして伝えるんだよ。どんなことも。たった一人の家族なんだから」
総悟のお陰で事前に消火されたが、2人とも互いへの想いが空回りしていたことがあった。
要は互いに下手くそなのだ。
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お待たせしました。
通常運転、再開です。
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imperatoris - 100票目頂きました! あざっす! (2018年8月6日 0時) (レス) id: 9caab1c44f (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 冬乃さん» コメントありがとう。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、其の伍にてお待ちしております。今後とも是非御贔屓くださいませ。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 幸さん» コメントありがとうございます。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、続編にてお待ちしております。今後とも御贔屓に。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
冬乃(プロフ) - 続き待ってます! (2017年12月27日 22時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2017年12月7日 12時) (レス) id: 8ce45858db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこまめ | 作成日時:2016年7月9日 19時