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#129 ページ16

「くーくる、これ何て書いてるの?」

スマホに映し出されるミミズを見よう見真似で書いていく。当然、私には読めない。

《解》

《先の手紙は月狐神としての私に差し出されたと見受けました》
《村長さんには担ぎ上げて欲しくないと言いましたが、一応私は月狐神の子》
《信じるかどうかは貴女の勝手ですが》
《度が過ぎる場合は相応の罰が下るとお思いください》



《それをオブラートで厳重に包んでます》


「そうなんだよなぁ。ここまで来た以上は相応の態度を私も取った方がいいんだろうなぁ」


いつの間にか神様化していた。というような成り行きとは言え、ここまで浸透してしまったらもう後には引けない。
神様扱いは止めろなんてもう言えない。


半ば騙すような感じになってしまうが、実際MMGを使えば肥料も作れる。マジックガーデンの名の通り、魔法のようなアイテムもある。

嘘から出た実。


前にくーくるが言っていた通り、嘘なら本当にしてしまえばいい。

もう、開き直るしかないのだ。


約束通り、上杉様の使者さんは四半刻ぴったりで現れたので手紙を託して上杉様の出方を待つことにした。


**

街に出かけるのは明日に延期となった。

お城の領主様の次は村長さんがやって来たのだ。

卓袱台を挟んで向き合う。

「こんにちは村長さん。澄空くんにはお世話になってます。本日はどのような御用で?」

「こんにちは月狐神様。こちらこそ家の(せがれ)の剣術を見てもらっているようで」


村長さんは私を月狐神と呼んだ、つまり村娘ではなく神としての私を呼んだのだ。即座に察した私は、スエットにパーカーという締まらなすぎる格好ながら、幻術を使って威圧感を出す。

「本日は例の蕪を見せて頂きたく参上した次第、貴女様さえよろしければ村の文化財として買取りたく存じます」

威圧にほんの一瞬たじろぐも、しっかり私を見据えてそう言った。あの大きい蕪かぁ。別に私がどうにかして大きくなった訳じゃないしなぁ。外来種の寄生型の蕪の花粉だか胞子だかが何故か引っ付いた結果だし……


「用件はわかりました、顔を上げてください。
まず、あの蕪は何も特別なものではありません。珍しく思うかもしれませんが、ただの外来種ですよ。私は特に何も手を加えてません。買い取る価値はないかと。買い取ったところで腐ってしまいますし、文化財にはなり得えないと思います」


とりあえず、蕪の正しい知識を伝えた。
彼は比較的話を聞いてくれるから大丈夫な筈。

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imperatoris - 100票目頂きました! あざっす! (2018年8月6日 0時) (レス) id: 9caab1c44f (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 冬乃さん» コメントありがとう。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、其の伍にてお待ちしております。今後とも是非御贔屓くださいませ。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 幸さん» コメントありがとうございます。お待たせ致しました。続編が完成致しましたので、続編にてお待ちしております。今後とも御贔屓に。 (2018年1月4日 19時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
冬乃(プロフ) - 続き待ってます! (2017年12月27日 22時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2017年12月7日 12時) (レス) id: 8ce45858db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこまめ | 作成日時:2016年7月9日 19時

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