其の弐【どうして】トリップ少女、スマホ片手に神になる｡【こうなった】

#54 二次元保安官誕生:番外編 ページ17

時は三次元の＋−(ﾌﾟﾗｽﾏｲﾅｽ)五百世界、地球における西暦200X年。時空の神アルトリューン、地球のとある島国の天照大神(ｱﾏﾃﾗｽｵｵﾐｶﾐ)による会合が開かれた。


「こっこの度は私ごときのめんっ面会に応じていただきっありがとうございまし！…ぁぅ。」


神界の大物を前に緊張するあまりカミカミの我らが女神。羞恥で真っ赤になるところもたいへん可愛い。


「ふふっ楽にしてもらって構わないよ、今回の件は此方に非があるのだから。」


今回の件、即ち日本人少女の行方不明事件に関することだ。諸君らは知らない…記憶を消されているだろうが日本では頻繁に起こっていて、今問題になっている少子化社会の原因とも言える。

行方不明事件の要因は日本中に無数に空いた時空の歪みや穴。これに運悪く吸い込まれてしまった人達は二次元へと飛ばされてしまうのだ。


「えと…その……」

「…そんなに緊張してくれるな、アマテラス殿。今夜は無礼講なんだぞ？」

「はっはいぃっ！すみませんっ」


アルト様が声をかけても、目を回して斜め上の言動に走るアマテラス様。
話し合いが進まない。


「失礼。発言を許していただきたい、アルト殿。」

「ツクヨミ殿…構わん。」


そこへ助っ人に入ったのは月読尊命(ﾂｸﾖﾐﾉﾐｺﾄ)、アマテラス様の弟君だ。
ヘタレな女神様には一人で大物に会いに行くのが心細過ぎたので、弟を引っ張ってきたのだ。


「では、話し合いの前に晩餐にしていただきたい。ご覧のように、姉上はとても話し合いをできる状態ではありませんゆえ、どうかお許し願いたい。」

「ちょっツクヨミっダメだよ、そんなっ！」

「…そうだな。いいのだアマテラス殿、私も腹が空いていたところ。少し夕飯が早まることぐらいどうってことない。」

ワタワタとツクヨミ様に抗議する姿を見て、アルト様は晩餐にすることにしたようです。

「…エリカ。」

「承知。」

側に控えていた天使がすぐさま姿を消す。カッケぇ。


「感謝します。そうそうアルト殿、日本酒を持ってきたんです。お好きでしょう？」

「なんとっ…気がきくな、ツクヨミ殿。」

実は、アルト様は日本オタクで家には刀やら着物やらあるらしい。でも英国人ルックスのアルト様が装備してもコスプレにしか見えない。


「姉上にも甘酒持ってきましたよ、飲みます？」

「本当！？やったツクヨミ大好き！」





…そして、話し合いはお酒が入ったことで急速に進む。

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