溺れる ページ5
私は最近、リヴァイさんの背中ばかり見ている気がする。
それはどういう意味かと聞かれれば、つまりはリヴァイさんと話す機会が無いということだ。
いつも一緒にいるからこそ、最近のリヴァイさんが凄く忙しくしてることを知ってる。
だからこそ、私が話したいからという理由で彼の仕事を邪魔したりはしたくなかった。まぁ、
エルド「兵長!これ見てください!」
ペトラ「兵長〜!!この庭の花が__」
そんなこと知る由もない部下は普通に話しかけているのだけれど。
私も本当は、その輪に加わりたいのに。
…馬鹿だな、部下に嫉妬するなんて。
囲まれてるリヴァイさんを見て溜め息をついた私は、自室にこもり書類を片付けるために机に向かった。
…時々、不安になることがある。
それは、戦闘のせいでどちらかがいなくなってしまうのではないかとか、そういう不安とはまた別のものだ。
…いや、不安じゃなくてこれは、
”寂しさ”
なのかもしれない。
ぽっかりと空いてしまった心の穴を埋めるように、私は戸棚を開いてお酒の瓶を出した。
◆◆◆
(リヴァイside)
ノックが3回聞こえる。
すぐにノックの主がAだということに気がついたが、Aは何故かいつまで経っても名乗らなかった。
不思議に思いながらも扉を開けると、やはりそこにはAの姿があった。
リヴァイ「…何だ」
「…リヴァイさん」
俺の姿を見ると、ふらふらとした足取りで俺に抱きついてくるA。
その潤んだ瞳といつもより曖昧な滑舌で、何となく予想がついた。
リヴァイ「おい…酔ってんのか」
「部屋入れてください」
何か様子がおかしいAをとりあえず部屋に入れ、まだ終わってない書類を束にして机の角においた。
俺が最近忙しいからか、Aは話しかけてこなくなった。部屋に来るのも久しぶりだ。
Aのことをちゃんと見るのすら久しぶりな気がして、Aの良心に甘えて仕事を優先してことを、若干悔やむ。
溜め息をついてベッドに腰かけると、後ろに回り込んで後ろから抱きしめてくるA。
「…リヴァイさん」
細い腕と弱い力で一生懸命に抱きしめてくる。
どこか震えるような声は耳元で囁かれ、脳まで響くみたいに甘く刺激してきた。
「…子供みたいなこと言っていいですか」
リヴァイ「…何だ」
Aは今度こそ震える声で言った。
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです!実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました!そちらも読んでくださると嬉しいです! (2023年1月14日 19時) (レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです! (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年9月20日 22時