君と。 ページ37
リヴァイさんはいつも、壁外調査に行く前必ず、私に同じ言葉を投げ掛ける。
リヴァイ「…体調はどうだ」
そう、まずはこんな感じの確認から始まる。
私は襟元をただして、立体起動のベルトに緩みがないかを確認して、こう言う。
「問題ありません」
リヴァイさんは私のことを頭の先から足元までゆっくりと眺めた後、私の目を見た。
リヴァイ「…相変わらず落ち着いてるな」
「…それを貴方が言いますか？」
落ち着いているなんていうレベルじゃないくらいにポーカーフェイスな彼がそう言うものなので、私は思わず苦笑いをして返す。
「…私が落ち着いていられるのは、リヴァイさんが隣にいるからですよ。きっと独りだったら、怖くて震えてるかもしれない」
リヴァイ「…そうか」
リヴァイさんはふっと張り詰めていた空気を緩ませ、私の肩にぽんと手を置く。そう、いつものあの言葉を言うために。
リヴァイ「＿＿いいか。
お前の身体はお前のためのものだ。傷でもつけたら俺が許さねぇ」
「…毎度のことですが。”俺が守ってやる”と言わないのはリヴァイさんらしいですね？」
リヴァイ「…守られてぇなら守ってやるが、お前は守られたいのか？」
「まさか。守るのは私の役割です」
リヴァイさんは少し考えてから私の肩から手を離して私の右手を掬い上げて、握った。
リヴァイ「お前は自己犠牲を図ろうとする質があるから見るに耐えねぇ…
だが俺が”傷を負うな”と言えば逆らえねぇだろ」
私が目をぱちくりとさせていると、彼はチッと舌打ちをして気まずそうに顔をそらした。
リヴァイ「…狡い上司で悪かったな」
自然と、唇がつり上がっていくのがわかる。
「いいえ。…むしろよく私のことを分かっているなと感服いたします。私はリヴァイさんからの言いつけは破れませんから。
仕方ないですが＿今回も無茶は出来ないみたいで、残念です」
私の言葉に、リヴァイさんも僅かに口角をあげる。
リヴァイ「＿＿生きて還るぞ」
「ええ、もちろん」
拳を合わせ、いつもの約束を口にする。
こうすると、凄く視界が開けて、身体が軽くなる。何でも出来るという感覚。怖くはない。むしろ怖いほどに安心している。
馬に跨がって、その時を待つ。
やがて、祝福のような鐘が高らかに鳴り響いた。
＿＿＿＿開門。
さぁ行こう。
君と、世界を救いに。
私は口角をあげ、馬を蹴った。
終わり
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです！実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました！そちらも読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月14日 19時) (
レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです！ (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 22時
