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「…そうでしょうか?そうだとしたら、そこには
貴方の隣にいたいという私の我が儘も入っているでしょうね?」


リヴァイさんは無言のままゆっくりと顔をあげ、どちらからともなく自然にキスをした。軽いキスからやがてどこまでも堕ちていくように深くなっていき、リヴァイさんは私の顔の横に手をついて、再び私の上に覆い被さった。

上から、リヴァイさんは私に真剣な眼差しで問う。


リヴァイ「…お前の夢は何だ?」


その問いに少しだけ答えるのに戸惑った。私が夢を語れば、それを叶えようとどこまでも優しい彼を縛り付けることになりかねないのではないか、と。

けれど結局、そうなることを分かっておきながら、わざと私は口にした。


「…平和になった世界で、何の心配ごとも障害も、何もない世界で___、

リヴァイさんと、ただ普通の幸せな日々を、
…送りたい」


少しの沈黙を挟んで、リヴァイさんが私の手を取りその甲に口づけをする。


リヴァイ「_約束しよう」


熱い吐息の中、彼は静かな誓いを立てた。

やはり縛ってしまっただろうかと心配する気持ちと単純な嬉しさが入り交じる。それを振り払うように私はあえて明るめの声を出した。

「リヴァイさんの夢は?」

リヴァイ「あ?教えねぇ」

「…私の上司がひどく狡いこと、忘れてました」

リヴァイ「…ふん、随分口が達者だな」

僅かに軽くなった空気に安堵しながら、また触れ合うようにキスを始めていく。

またしても熱を持ち始めた身体に、本能に、任せるがままにキスを重ね、部屋が再びお互いの荒い息遣いと生々しいリップ音で満たされていく。

リヴァイ「…まだ体力あるだろうな」

「…人類最強様程ではないですが、一応」

リヴァイ「…なら十分だ」


この、僅かな”幸せ”と呼べる平穏な時間が、
消して特別なものではなく当たり前のものに、
日常に、変わっていきますように。

__いつか、絶対に。


そう願いながら私達はまた、束の間の快楽と幸せで誤魔化すようにお互いに溺れていくのだ。

優しい宵闇→←いつか



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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです!実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました!そちらも読んでくださると嬉しいです! (2023年1月14日 19時) (レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです! (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年9月20日 22時

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