◆ ページ33
「え、っと…いつからいらっしゃいましたでしょうか」
私の隣に座り込んだリヴァイさんと少しの沈黙が続いた。その沈黙に耐えきれず、言葉を発する。
リヴァイ「最初からだ。…あの状況で、出ていくタイミングなんざ、あるわけがねぇからな」
最初から聞かれていたという事実に、追い討ちをかけるように私の心を突き刺してくる。
恥ずかしさ、後悔、気まずさ、色んな感情が入り交じり結局また口をつぐんでしまう。
リヴァイ「謝るのは、俺の方だ。
…あたって、悪かった。ピリついてた」
リヴァイさんは優しく私の手に触れ、心底申し訳なさそうに俯いて私に言った。
「私こそ…すみませんでした」
そのいつもの優しい彼の態度に安心する。疲れているのに私のことを追ってきてくれたのだろうか。
リヴァイさんが視線をゆっくりとあげ、やがて交わる。彼の手が私の後頭部に添えられ、唇同士が触れ合いそうになった時、私たちの間でさっきの猫が、にゃあと鳴いた。
つい止まった私達は、顔を離して猫の方を見やる。猫は私の膝の上に乗り、占領するようにどっしりと座り込んでしまった。
リヴァイ「チッ…邪魔しやがって」
「ふふ、この子、リヴァイさんに似てますよね」
猫の頬を撫でてやると、またぐるぐると喉を鳴らし満足そうに目をつむった。
リヴァイ「…さぁな。それより、」
そう言って、ふわりと優しく頬に手を添えられたかと思えば、頬についた涙の後をぺろりとさっきの猫のように舐められた。
リヴァイ「…もう、俺の知らないところで泣くな」
しっかりとフリーズした私にそう声をかけ、リヴァイさんは私の膝の上にいる猫を抱き抱えた。
リヴァイ「部下に言われた通り、そろそろ休むこととしよう_付き合ってくれるんだろ?」
_前言撤回。私の上司はやっぱり可愛らしい猫とは似ても似つかないようです。
すっかり元の調子に戻った私の上司の後に遅れないよう、立ち上がって後を追った。
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです!実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました!そちらも読んでくださると嬉しいです! (2023年1月14日 19時) (レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです! (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年9月20日 22時