検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:52,032 hit

約束 ページ21

(リヴァイside)

リヴァイ「…っ!」

苦しくなって、目が覚める。肌には嫌な汗をかいており、呼吸も乱れていた。

…また、この夢だ。

俺は調査兵になっていつからか、何度も同じ夢を見るようになった。

…死んでいった、仲間の夢。俺が死なせた、仲間の夢だ。
俺を真ん中に囲んで、皆が一様に真っ黒な瞳でこちらを見ている。別に何か話しかけられるわけでも、行動を起こされるわけでもない。_ただ、見られている。

俺はまだ荒い呼吸で身体を起こし、隣にあるはずの体温に手を伸ばす。しかしその手は、一番欲しい温もりに触れることはなかった。

リヴァイ「…A?」

脱け殻と化してる隣に声をかけても、意味なんてないと分かっているのに。
不安ばかりが先走りして、そうせずにはいられなかった。

嫌な予感がじわじわとせりあがって、身体の芯まで冷えていく。
直ぐ様ベッドから立ち上がって、Aをようやく見つけることが出来たのは、部屋を出た先にある食堂だった。

食堂の机に向かって何やら書類を書いてるAを、後ろから抱き締める。
ようやく感じられた体温に、柄にもなくひどく安心した。

「わっ…リヴァイさん!?どうしたんですか?」

リヴァイ「どうしたもこうしたもねぇ…勝手に抜け出して何してやがる」

驚いて身体を震わせたAの柔らかな背中に、顔を埋めた。

「書類が終わってなくて…でも、終わってないから作業すると言ったら、止められると思ったので内職した限りですが…」

Aはそっと、回してる俺の腕に手を重ねた。
こいつはどうも、察しがいいところがある。

優しく腕を振りほどき、椅子から立ち上がったAは、俺の頬に手を伸ばして触れた。

「…私は、どんなことがあろうとリヴァイさんから離れませんよ。…約束します」

どうやら俺は、10個以上も年下の奴に見透かされている上、あやされているらしいという状況らしい。
ただ、Aの言葉は驚くほど純粋で、俺を安心させた。先程まで自分ですら分かっていなかった身体の緊張が、解れた気がした。

リヴァイ「…寝るぞ、」

俺の頬に触れていたAの手を、そのまま手を繋がせて指を絡ませる。

「…了解です」

◆→←◆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (83 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
206人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです!実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました!そちらも読んでくださると嬉しいです! (2023年1月14日 19時) (レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです! (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年9月20日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。