約束 ページ21
(リヴァイside)
リヴァイ「…っ!」
苦しくなって、目が覚める。肌には嫌な汗をかいており、呼吸も乱れていた。
…また、この夢だ。
俺は調査兵になっていつからか、何度も同じ夢を見るようになった。
…死んでいった、仲間の夢。俺が死なせた、仲間の夢だ。
俺を真ん中に囲んで、皆が一様に真っ黒な瞳でこちらを見ている。別に何か話しかけられるわけでも、行動を起こされるわけでもない。_ただ、見られている。
俺はまだ荒い呼吸で身体を起こし、隣にあるはずの体温に手を伸ばす。しかしその手は、一番欲しい温もりに触れることはなかった。
リヴァイ「…A?」
脱け殻と化してる隣に声をかけても、意味なんてないと分かっているのに。
不安ばかりが先走りして、そうせずにはいられなかった。
嫌な予感がじわじわとせりあがって、身体の芯まで冷えていく。
直ぐ様ベッドから立ち上がって、Aをようやく見つけることが出来たのは、部屋を出た先にある食堂だった。
食堂の机に向かって何やら書類を書いてるAを、後ろから抱き締める。
ようやく感じられた体温に、柄にもなくひどく安心した。
「わっ…リヴァイさん!?どうしたんですか?」
リヴァイ「どうしたもこうしたもねぇ…勝手に抜け出して何してやがる」
驚いて身体を震わせたAの柔らかな背中に、顔を埋めた。
「書類が終わってなくて…でも、終わってないから作業すると言ったら、止められると思ったので内職した限りですが…」
Aはそっと、回してる俺の腕に手を重ねた。
こいつはどうも、察しがいいところがある。
優しく腕を振りほどき、椅子から立ち上がったAは、俺の頬に手を伸ばして触れた。
「…私は、どんなことがあろうとリヴァイさんから離れませんよ。…約束します」
どうやら俺は、10個以上も年下の奴に見透かされている上、あやされているらしいという状況らしい。
ただ、Aの言葉は驚くほど純粋で、俺を安心させた。先程まで自分ですら分かっていなかった身体の緊張が、解れた気がした。
リヴァイ「…寝るぞ、」
俺の頬に触れていたAの手を、そのまま手を繋がせて指を絡ませる。
「…了解です」
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです!実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました!そちらも読んでくださると嬉しいです! (2023年1月14日 19時) (レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです! (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年9月20日 22時