熱 ページ23
朝、起きるとすぐ違和感を感じた。
身体が重くてだるい。頭がガンガンと痛み、小さな音でも頭に響く。この感覚には覚えがある。
＿＿熱。風邪でも引いたのだろうか。
私は何とか身体を立ち上がらせて、備え付けの洗面所で顔を洗って無理やり気を引き締める。
鏡に写る私はいつもよりも明らかに覇気がなく、熱からか目は潤み、顔も火照ってる。
すぐ熱冷ましの薬を探すが、丁度この間熱を出した新兵にあげて薬を切らしたことを思い出した。
…素直に人に甘えるしかなさそうだ。
自分でも情けないほどよろけながら、上官のもとへ向かう。ノックを3回すれば、いつものように返事が返ってくる。
扉を開けて私を見たリヴァイさんは、直ぐ様気がつき目を見開いた。それから私の身体をふわりと抱き上げ、彼の清潔なベッドに寝かされる。
リヴァイ「…熱は計ったか」
「まだ、です…」
体温計を差し出された後、何も言わずとも水と熱冷ましの薬をベッド脇に置いてくれる。
「38.9…」
思っていたより高い数値に、自分でも驚いた。
何故だ、いつ風邪を引くような事があっただろうか。そう思い返しすと、心当たりがひとつ。
リヴァイ「…雨に濡れたからだな」
リヴァイさんもまた同じことを考えていたようだ。
あれは数日前＿内地に買い出しに行った帰り、大雨に濡れて帰ってきたことを思い出した。
「ですね…」
私が薬を飲むために身体を起こそうとすると、リヴァイさんが頭を支えて手伝ってくれる。
いつもよりもさらに優しいその手付き、触り方に、不謹慎かもしれないが胸が鳴った。
リヴァイ「…今日は休んでおけ。班での訓練は中止だと、班員やエルヴィンにも伝えておく」
薬を飲んだ私は、再び寝転がり「すみません…」と謝罪の言葉を口にした。
私のせいで訓練が潰れてしまうらしい。比較的上の立場に立っておきながら迷惑をかけてしまう事を恥じた。
リヴァイ「…あんな働き方をしてれば、免疫も落ちるだろう。お前の働きぶりに甘えて、何でもかんでも任せていた俺らにも問題がある。
いいから何も考えずゆっくり寝てろ。最近書類詰めで寝てなかったんだろ」
刺があるように聞こえる言葉には、一概に言えないほどの莫大な優しさが詰め込まれている。
「…了解です」
その大きな手に優しく、しかし熱があるからか私を気遣ってどこか遠慮がちに頭を撫でられ、それにひどく安心しながら、私は目を閉じた。
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです！実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました！そちらも読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月14日 19時) (
レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです！ (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 22時
