35 お見舞い。2 ページ35
…
「……はい」
マスクが見当たらないのでとりあえずフェイスタオルを口に当てる。鍵を開けて顔を上げると、そこにはよ、と片手をあげる真希ちゃん。
「あ、真希ちゃん、いらっしゃい……」
「随分酷そうだな。色々買ってきたんだけど、上がっていいか?」
「うん、どーぞ」
「ごめんね、マスク、今手元になくて……」
「気にすんな。ちっと場所借りるぞ」
そう言ってちゃっちゃか歩いていく真希ちゃん。すごい、女の子だ……
「ほら、寝とけ」
私がぼんやり真希ちゃんを眺めてみると、呆れた顔で起き上がっていた私に布団をかけてくれた。
「ん……ありがと……」
真希ちゃんは横になった私に目線を合わせてくれる。
「体温、測れるか」
「うん」
そう言って体温計をほら、と差し出される。
もそもそ動いて、体温を図るために服の前の部分を寛げる。
「怠そうだな……飯食ってないんだろ。薬は飲んだか?」
「んーん」
「ばか。薬飲まなきゃ治るもんも治らねぇぞ。市販ので悪いけど、買ってきたから。飲んどけ」
そう言いながらテーブルで何やらコンビニの袋をゴソゴソ漁っている。
「……寝とけって」
「うん」
❁❁❁
「……ん」
「おー、起きたか」
もそりと体を起こそうとすると、ボトリと視界に何かが落ちた。
「タオル……」
「ああ、コンビニに冷えピタ売ってなくてな。悪い」
東京っつっても外れだからなぁ、なんて笑いながら言う真希ちゃん。
そう言って、レンジで温めたのだろうほかほかのお粥を差し出す。
「食えるか?」
「うん……」
ぼうっとしたままもそもそ食べようとすると、思ったより熱くて口に入れた途端ビクッと肩を揺らして吃驚してしまう。
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時