【えおえお】よくあるはなし (ページ8)

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第７話ページ8

翌日

昼休みのチャイムが鳴った。
待ちに待ったお昼ご飯。
今日のお弁当は某ネズミーマウスのキャラ弁らしく、朝からお母さんが張り切っていた。

「A！ご飯食べよー！」

クラスで一番仲のいいミクが、にこにこしながら私の席にやってきた。

「なんか嬉しそうだね？」
「そうっ！もうお腹すいちゃって！やっとご飯食べれるの嬉しい！」
「ミク、食べるのすきだもんね」

ミクのお弁当は私のより大きくて、しかもデザートも入っている。
お母さんがクッキーやカップケーキを作るのが得意ならしく、私の分まで作ってきてくれるのだ。

「ねね、天気いいし、屋上で食べてみない？」
「いいね！私屋上で食べてみたかった！」
「わかるあたしも！」

うちの学校は、二階建ての西棟の屋上が常に開放されている。
周りは建物や木で囲まれていて、二階建てということもあり見晴らしが良くないので、あまり屋上へ行く生徒はいない。
四階建ての東棟や北棟はさすがに危険ということで、屋上には常に鍵が掛かっている。

西棟に入り階段をのぼっていくと、女の子の声が聞こえてきた。

「好きです。私と付き合ってください」

私たちの足が同時に止まった。
顔を見合わせ、身振り手振りで会話する。

告白？
だね。行かない方がよさそう。
教室戻ろ。
うん。

くるりと踵を返し階段を降りようと一歩踏み出したとき、また女の子の声がきこえた。

「ずっと、かっこいいと思ってて・・・えおえおくんのこと」

告白されてるのは、えおえおくんだったのか。
やっぱりモテるんだな。