私の幼馴染みその後３ (ページ32)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:30,041 hit

幼馴染み高嗣ツアー編４ページ32

Aside

私が返事を待っていると、高嗣は大きな溜め息を付いた。

高嗣「・・・女の子は、こう言うの好きなんじゃないの？」」

納得いかないのか、高嗣は眉間に皺を寄せ首を傾げている。

高嗣の言ってる意味が分からず、私も首を傾げた。

「あっ！！」

暫く考えていたら"ある事"を思い出した。

「もしかして・・・"きすぶさ"で千賀君がやった"風呂上がりの癒し"？」

私の言葉に、

高嗣「そう。・・・やっと気付いた。
あの時大久保さんも、ドライヤーしてあげるの良いって言ってた。」

"もしもし高嗣くん。ちょっとドヤってるけど、確か"ヤバイ第３位"でしたよね。"

思わず心の中で呟いてしまった。

「高嗣に言われるまで、全然分かんなかった。」

私の言葉に高嗣は、分かり易く溜め息を付いた。

高嗣「お前さ、鈍感すぎないか。」

「はい？」

高嗣「普通、気付くだろう。この優しさに。」

"何で分かんないかな？"なんて言ってるけど、
分かんないからね。

でも、高嗣が私を喜ばせ様としている事、ちゃんと伝わったよ。だから、

「ごめんね、鈍感で。
高ちゃん、続きをお願いします。」

そう言って、ペコリと頭を下げれば、

高嗣「分かれば宜しい。」

一言そう言って、再びドライヤーで私の髪を乾かし始めた。

高嗣「はい、出来た。」

ドライヤーをテーブルに置くと、高嗣は後ろから私を抱き締めた。

高嗣「ごめんな、なかなか会えなくて。」

耳元で囁く高嗣の声が、ダイレクトに脳を刺激する。

申し訳なさそうなその声に、胸が締め付けられる。

私の胸の前で重なっている高嗣の手に、私の手をそっと重ねた。

「分かっているから大丈夫だよ。」

私の言葉に、抱き締めてくれる腕に力が込められる。

高嗣「俺さ、ライブの事となると頭の中が一杯になんの。
メンバーが一番輝いてるところを見て欲しいし、ファンの皆に心から喜んで欲しいんだ。」

高嗣のこう言う所が、真面目で大好きなんだよね。

「・・・分かってる。」

高嗣の腕を優しく撫でれば、"有り難う。"と優しい声が聞こえた。

「高嗣の言いたい事は分かった。
だけど、私の事・・・忘れないでね。」

仕事を大事にしている高嗣。

ファンを大切にしている高嗣。

メンバーを大好きな高嗣。

何にでも一生懸命な高嗣が大好きだけど、私の事も忘れないでね。