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幼馴染み 裕太ツアー編 1 ページ15

Aside


裕くんは、只今ツアーの真最中。




他の仕事も有るからとても忙しくて、スレ違いの日々が続いている。




私もグラビアの撮影やバラエティーの収録が有ったりして、なかなか会いに行けない。




ツアー前から裕くんは、衣装の打ち合わせやリハーサルが有って、時間の余裕が無かった。




だから最近は、LINEがメインの連絡ツールになっている。




それでも裕くんは、忙しい中少しでも時間出来ると電話をくれる。




裕太「A、お疲れ。
今日の撮影分、無事に終わった?」




裕くんの仕事は終わっていない筈なのに、電話の向こうから裕くん以外の声は聞こえない。




「お疲れ様。今日の分は終わったよ。
撮影の後、皆で食事をして今はホテルの部屋だよ。
裕くんは?」




今回はお姉ちゃんと一緒の仕事だったから、同じ部屋にしてもらえた。




その事を裕くんに話すと、




裕太「多分そうなる思った。
だから電話しても、大丈夫だと思ったんだ。
俺は今休憩で、飲み物買いに行くって楽屋から出て来たんだ。」




きっと裕くんは私の事を気に掛けて、わざわざ時間を作ってくれたんだ。




「ごめんね、裕くん。
忙しいのに電話してくれて・・・凄く嬉しい。」




裕太「・・・別にAの為じゃないから。
俺がAの声を、聞きたいだけだから・・・。」




きっと電話の向こうの裕くんは、照れて赤くなってる筈。




そんな想像をしていた私に、




裕太「だから・・・Aが謝る必要なんか無いから。」




電話の向こうから再び聞こえたのは、裕くんの素っ気ない言葉。




言い方は素っ気ないけど、裕くんの気持ちが十分に伝わってくる。だから私は、




「有り難う。」




そう伝えた。




他の人には素っ気なく聞こえる裕くんの言葉は、私には裕くんの優しさだと、ちゃんと伝わってくる。




そんな事を考えていた私は、無言になってしまっていた。




そんな私に、




裕太「A、帰るの明日だよな。」




そう裕くんの声が聞こえてきた。




「明日の夜には自宅に帰ってるよ。
・・・あっ、そうだ。
裕くんにお土産、買って有るんだ。」




そう答えた。




私達は仕事でもプライベートでも、お互い出掛けた時は、必ず相手にお土産を買って帰る。




昔はその土地で食べた美味しいモノを買って来ては、美味しさを共有したくて一緒に食べていたけれど、最近は時間が合わなくて、なかなか共有出来ない。

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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時

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