幼馴染み 俊哉ツアー編 9 ページ14
俊哉side
圭太君の言葉を聞いて、改めてAの事を考えた。
"一緒に居たいと思う俺の想いだけで、このままAを縛り付けて良いのかと。"
結局圭太君の海外転勤の話は、色々有って流れてしまったけど、俺の気持ちの答えは未だ出ないままだ。
俺の気持ちは"ずっと一緒に居たい"と決まっていても、Aがどう思っているのか分からない以上、答えは出る筈無いんだ。
ライブ中に叫ぶスイートな台詞も、A一人を目の前にすると、途端に言えなくなってしまう。
だけど、逃げてばかりじゃ伝わらないよね。
だから勇気を出して、ちゃんと言葉にしてみたんだ。
「俺以外の人が、Aの隣に居るのは嫌だから・・・だから今すぐには無理だけど、・・・必ず俺が幸せにするからもう少しだけ待っててくれる?」
これが、今の俺に言える精一杯の言葉。
そんな俺に、Aは笑顔で答えてくれた。
A「大丈夫だよ。ちゃんと幸せにして貰ってるから。
でも・・・私一人だけじゃないけどね。」
一瞬何の事か分からなかったけど、直ぐにライブでの事だと分かった。
何時も自分の事より、俺の気持ちや立場を優先させてくれるA。
その度俺は、君の優しさに甘えてしまうんだ。
結局、今回もAに甘えてしまう。
A「今はそれで十分だよ。
だって・・・何時かは私だけを、幸せにしてくれるんでしょ?」
何時とは言えない俺の為に、Aは自分からその事を口にしてくれた。
だから俺は、
「今年も、目一杯幸せにするからね。」
ライブ中で言う様に、そう約束を口にする。
"心の中では、A一人を想って。"
そして俺は"俺の姫"に、誓いのキスする。
仕事場で上機嫌の俺の様子に気が付いた玉さんが、
裕太「宮田、何か良いこと有った?」
そう聞いて来た。だけど俺は、
「何も無いけど。」
そう満面の笑みで答えてしまった。
裕太「変なやつ。」
そう言って、ニカ達の方へ歩いて行った。
いくら大好きな玉さんでも、此だけは話せない。
だって、Aとの大切な約束だから。
先ず手始めに仕事を終えて家に帰ったら、何時もみんなを乗せてくれる、"俺の白馬"の世話から始めようかな。
"今はみんなのモノだけど、何時かはA専用の白馬になるから、それまで待ってろよ。"
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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時