私の幼馴染みその後３ (ページ11)

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幼馴染み俊哉ツアー編６ページ11

Aside

ドアの開く音に気付いてそちらを見ると、予想していなかった人が立っていた。

「・・・俊くん？」

俊くんは私の方を見ると、

俊哉「あっ、おはようA。
さっき姉ちゃんは寝てるって言ってたけど、目が覚めてたんだ。」

何時もの笑顔を向けてくれた。

ちょっと状況が読めなくて、慌てる私。

「えっと・・・何で俊くん？」

まだ理解出来ない私は、理由が知りたくて俊くんを見詰めた。

俊哉「実は昨日、急に圭太君から連絡が有って、ずっと一緒に居たんだ。」

そう言えば俊くん、昨日用事が有るような事を言ってたっけ。

俊哉「色々有って圭太君が、姉ちゃんに話が有るって言うから、俺はAを迎えに来た。」

何となく事情は分かったけど、俊くんは今日仕事無かったっけ？

俊哉「Aどうしたの？
そんな不思議そうな顔をして。」

俊くんは、返事も忘れて考え込んでいる私を困った様に見て、

俊哉「あっ・・・今日は１５時から打ち合わせで、それまでは仕事入って無いんだ。」

「えっ、そうなんだ。」

ツアー前で忙しいだろうから、朝から仕事が有るもんだと思い込んでいた。

俊哉「だから久し振りにAと二人で、早めのランチに行こうと思って。」

突然の誘いに浮かれる私。

そんな私を見て、

俊哉「忙しくて、時間が取れなくてごめんね。
姉ちゃん達は大事な話みたいだから、着替えて直ぐに出掛けよう。」

そう言うと"早く早く"と私を急かして仕度をさせると、二人にメッセージを残して、なっちゃん家を後にした。

私達の友人が経営しているカフェに向かうと、何時も座る人目に付かない奥の席に着いて、食事を始めた。

話を聞くと、なっちゃんが心配していた圭くんの海外勤務の話は無くなったけど、この機会になっちゃんにプロポーズする覚悟を決めたらしい。

俊くんはツアーの準備で忙しい筈なのに、最近ずっと圭くんの相談に乗っていたらしい。

私はその話を聞いて、俊くんらしいなと思った。

自分は無理をしてでも、家族や大切な人の為なら親身になる俊くんの事が、私は大好きだ。

「大好きな二人には、幸せになって貰いたいな。」

私がそう言うと、

俊哉「本当だよな。
圭太君にも姉ちゃんにも、幸せになって貰いたい。」

そう言ってにっこり笑う俊くんは、やっぱり家族想いで優しい人だ。