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男の人を、名前で呼ぶなんて、初めてだった。
気付くと、どんどん普通に呼んでいた自分が恥ずかしくて、顔が赤くなる。
目の前では永瀬くんが大きく溜息をついて「そういうやつなんやって、顕嵐は…」と呆れてる。
勘違いに、穴があったら入りたい気分の私の手を、繋ぎ直して歩き出す永瀬くんが、
「―…Aちゃん、これから“永瀬くん”って呼ぶん禁止な。」
「…えっ」
突然の永瀬くんの言葉に、さらに戸惑ってしまう。
それって、つまり。
これからは、名前で呼ぶってこと…？！
「はい、練習。名前で呼んでみ。」
歩きながら、私を覗き込んでいる永瀬くんはまだちょっと不貞腐れていて。
恥ずかしくて、ドキドキして、視線が泳いでしまうけど、
でも断ることはできなくて。
「…れ…廉…くん、」
掠れそうな小さな声で、呟く名前。声に出すと、ますます恥ずかしくて、
火照った頭から湯気が出てしまいそう。
そんな私の照れた顔と、言葉を聞いて、ちょっと機嫌を取り戻した永瀬くんが、
「―…顕嵐とこれ以上関わるんも、禁止。」
禁止が増える。
でも、思った通り、嫉妬していたみたいで。
…そっか、私が、顕嵐くんだけ名前で呼んでいたから。
だからヤキモチ妬いてくれてたんだ。
そう思うと恥ずかしいけど、嬉しくて、
好き、って気持ちが高まってきて、伝えたくなってしまって。
「…永瀬くん、だいす…―」
見上げて、無意識に出ていた言葉の途中で、重なる唇。
永瀬くんにキスをされていて、驚いて、時間が止まる。
「…永瀬くん1回につき、キス1回やから」
そう言って、悪戯っぽく笑う廉くんの顔が、夕日に照らされて、さらに眩しくて。
高鳴る胸は、一向におさまらない…―
―…その数日後。
「ごめん、俺今この子と付き合ってるから。」
“顕嵐くんと関わるのは禁止。”
あの日、そう廉くんに言われたはずなのに。
「え、顕嵐くんどういうこ…」
『顕嵐に彼女なんて信じられない、じゃあ今ここで証明しなさいよ！』
なぜ今私は、顕嵐くんに肩を抱かれ、
目の前には激怒している先輩が立っているの？
大きな声を出しても、外にはほとんど響かない視聴覚室。
また嵐の予感です。
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れもか♪ - 廉君かっこいい！これからも頑張ってください！大好きです♪ (2017年3月3日 19時) (
レス) id: 4834f7419d (このIDを非表示/違反報告)
#土筆(プロフ) - この作品大好きです！！廉くん、かっこよすぎて死にそうです笑 もうトキメキまくってます！これからも更新楽しみにしています！頑張って下さい！！ (2017年1月7日 23時) (レス) id: 55722025e8 (このIDを非表示/違反報告)
北萌(プロフ) - あけましておめでとうございます！この作品大好きです！更新待ってます！ (2017年1月4日 21時) (レス) id: a2cc09170c (このIDを非表示/違反報告)
心愛(ここあ)(プロフ) - 明けましておめでとうございます。お話に引き込まれますね( ´艸｀)花澄*。さんの世界観大好きです！これからどう展開していくのか…更新楽しみにしています(≧∀≦) (2017年1月4日 10時) (レス) id: 5d24ad16bc (このIDを非表示/違反報告)
piyochan. - なになになにどーゆう関係なの！！笑めっちゃ気になる笑 (2017年1月3日 2時) (レス) id: 8558eeec56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花澄*。
| 作成日時：2016年12月17日 18時
