M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 上 (ページ49)

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第十六話③ ページ49

穴掘り「う、うぐううう？！き、貴様…地面の中の酸素まで…奪っていくつもりか…？！だ、だがしかし！もっと地中深く潜れば！！」

勇斗「…あいつ、俺の力が届かない場所まで潜りやがった。これ以上は俺にもどうすることもできないな」

穴掘り「そうだろう、そうだろう！！じわじわと恐怖に引き釣りこんでやる！」

琉弥「コンコン！失礼します！皆さん、俺のことお忘れですかー？！」

仁人「え？琉弥？君の能力はだって空気がないと…」

琉弥「いいから、ここは任せといてよ！勇斗君が与えてくれたダメージのおかげで、俺の力でもあいつをやっつけられるよ！」

そういうと、琉弥は自分の唇に手を当てると、地面にその手をかざした。

すると、地面が紫色に染まっていき、地中深くまで侵食していく。

琉弥「毒っていうのは空気だけじゃない、水だって地面だって侵食できるんだよ！」

琉弥の能力、それは自身の唇から分泌される魅惑の香りを放つ様々な効果の毒を操り、空気中へ散布するだけでなく、水中や地中へ侵食させることができるのだ。

仁人「そうか、土壌汚染や水質汚濁の原理か…！」

それからいつまでたっても、勇者7人が穴掘り四天王の声を聞くことはなく、姿を見ることもなかったという…。

？？？「強いんだねー」

瑞生「四天王というからにはお前で最後、でいいんだね？」

？？？「もちろん、僕は最後の四天王、道化四天王だよー」

ピエロのような恰好をしたその魔物は、軽い身のこなしでぴょんぴょん跳ねながら7人の前にやってきた。

道化「僕はあの3人みたいに攻撃を仕掛けるタイプじゃないから、安心して君たちの技をボクにぶち込んでおくれよ」

仁人「な、なんだこいつ」

太智「そう言われると調子狂うな…」

道化「どうしたの？来ないの？ねえ」

そう言うと今度は蛇のように地面を張って、瑞生に絡みついてきた。

瑞生「こ、こいつ…！！」

道化「へえ、君はこれを使って戦うのかい？」

道化四天王は瑞生の持つ水晶玉に手を触れた。

仁人「瑞生から離れろ！！チェスト！！」

仁人の攻撃は見事に道化四天王に命中し、その体を吹き飛ばした。