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とりあえずテスト一日目終了、っと。あいつらちゃんとできたかな。
『シルク〜。』
ブレザーの裾をつまんで困った顔でこっちを見ている。
シ「わかってるよ!今日も教えてやるから。」
Aの頭をクシャクシャっと撫でてやると手をつかまれた。
『あのね、マサイくん今日ちょっと用事あるから遅れてくるんだって。』
シ「そか。じゃ、先図書室行って勉強しとくか。」
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テスト期間だけあって図書室はたくさんの生徒で席はすでに埋まっていた。
『図書室いっぱいだね。』
シ「俺ら出遅れたみたいだな。」
『うち来る?そんな片付いてなくてよかったら。』
マジか!でも後からマサイも来るしいいか。
シ「Aがいいんなら行くか。」
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シ「お邪魔しまーす。」
やっぱり女の子の家って緊張するよな〜。しかも好きな女の子。
『今、誰もいないからそんな緊張しないで。笑』
こいつわかってんのか?好きなやつの家で二人きりとかやばすぎんだろ!ちょっとは警戒しろよ!
『ちょっとお茶入れてくから、部屋行ってて。2階の突き当たりだから。あっ!引き出しとか勝手に開けないでね!』
シ「おぅ!」
開けないわけないだろ〜。しかも今日はコウキから聞いたこいつの弱点!ヘビのおもちゃをポケットに忍ばせている。いつでも準備はばっちりだ!
ーガチャッ
ここがAの部屋か……。想像してたより物が少なく、モノトーンで統一されてるせいか女の子らしくない印象を受ける。さて、何か面白いもんねえかなぁ〜。俺が物色し始めると、机の上には写真が何枚も貼られたコルクボードが……。風景写真の中にマサイが夕日をバックに写ってる写真があった。おそらくAが撮ったんであろう、写真の中のマサイは俺らには見せないすごく優しい顔で笑っている。いよいよ俺の割り込む隙はないのかもな……。
ーカタンッ
いけねっ!コルクボード倒しちまった!……?この写真は……。コルクボードの裏に一枚だけ写真が貼ってあった。
それは修学旅行で唯一撮った俺とAのツーショットだった。これ、マサイが撮ってくれたんだよなぁ……。マサイが撮ってるからかな、どの写真よりAの笑顔が輝いている。これは、見なかったことにしよう。
さ、テーブルの下にヘビ隠しておくか。
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作者名:milkcrown | 作成日時:2018年12月18日 15時