第二十八話 その少女 ページ33
SIDE KISARAGI
＿＿何が起きたのかわからなかった。
中也さんはナイフかなにかで刺されたようだった。
私たちは“運転手の逆側”から乗り込もうとしていたのに。
とっさに中也さんは私の手をつかもうと身を乗り出したが、急発進した車に、倒れこんだようだった。
私も飛び降りようと頑張ったのだが、私の意識はだんだんと薄れていく。どうやら睡眠性のガスかなにかが出ているみたいで、数秒としないうちに意識を手放した。
目を開けた時は、どうしようかと思った。
「いったい…これは…」
何処のお嬢様が着るんだというような服＿青ベースのフリフリしたお洋服＿に着替えさせられ、見たこともないような大きなフカフカしたベッド。
ベットはカーテンで仕切られているため外の景色は分からない。
そして、私のとなりで気持ちよさそうに寝ている一人の女性。
知らない人物ではなかった。いや、正確には知らない。見たことのある人物といったほうがいいだろう。
そこに寝ているのは以前の私だった。
TNLの帰りの襲撃で現れたあの少女だった。
つまり、生前の私の姿がそこに寝ているのだ。そして、分かっているのがそれが私とともにこちらの世界に来た猫だということ。
ひとまずそいつは放っておいて、ベットの外を探検することにした。
薄いカーテンの向こう側はすこしは想像していたが、少し広めな空間は白を基調としていて、クローゼットやドレッサー、シャンデリアなどまでがあり、それらには豪華に金の装飾が施されている。
ベットのほうからゴソゴソと音が聞こえた。あの少女が起きたのだろうか。私はそっと少女に近寄り少し揺さぶる。
パチッと目を開いた彼女は驚いたように私を見つめ一瞬停止した。しかしすぐに起き上がると、気難しそうな顔をして周りを見渡し、私に向き直った。
「…いったいこれは…？」
「さあ…」
どうやら相手もこの状況をご存知ではないらしい。
ポリポリと頭を掻いてベッドから立ち上がると、大きく伸びをした。
「ねぇ、あんたはいったい」
「ああ、そうだったね。うんそうだ、自己紹介をしようか」
愛想のいい＿とはいってもどこか嘘くさい営業スマイル＿でそういう彼女。
私はどこか緊張した面持ちで私に似たその少女を見つめていた。
「私は、猫だよ。そう、あなたの世界にいて、君と一緒にこの世界に来た猫だ。
でも、それだけじゃない。君は知らないかもしれないかもだけどね」
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みぃ(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» ！？ すみません、コメントに気がついて居ませんでした！！ 遅くなって申し訳ございません！ あら、そうなのですね、知りませんでした。書き換えて起きますね！ (2018年4月3日 18時) (
レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - １３話を見て思ったのですが、ユリの花は匂いが強く花が下向きに咲いていて縁起が良くないのでお見舞いには向いていないですよ。 (2017年9月17日 23時) (レス) id: 343bba7f6a (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 由由由さん» おお！ こっちにもコメントくださいありがとうございます！ 頑張りますね！ (2017年8月1日 8時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
由由由 - 面白い！続きが楽しみ！ (2017年7月31日 17時) (レス) id: 1589b544b5 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 藤猫さん» コメントとご指摘ありがとうございます！ 矢張り夜中に更新すると誤字が増えますね…ありがとうございました！！ (2017年3月30日 10時) (レス) id: 7206b13d0b (このIDを非表示/違反報告)
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