第二十一話 帰り道 ページ26
敵を少女が片づけてから間もなく、太宰さんと中也さんが合流した。
「…え、だれ?」
「ん? ああ〜…面倒くさいねぇ」
彼女はそういうとそのまま黙り込んでしまった。
__説明するつもりはさらさらない…と。
しかし、この姿からして私に関係しているのは確かなはずだ。
「…あれ? 猫はどこに行ったの?」
エリスちゃんが思い出したように問いかけた。
「…俺の頭の上にいたはずだが、光って…この少女になった」
「へぇ…ってええ!?」
「織田作、それ、真相」
…猫!?
少女_猫は再び口角を上げ満足そうに目を細めた。
どうやら間違っていないらしい。
すると、先ほどと同じように光った。
まぶしさに目を閉じ、再び目を開くとそこにはあの黒猫が得意げな顔で座っていた。
「…織田作の異能?」
「まさかの二個持ち?」
「いや…この猫がいうことを聞いたのはAだ。 Aの異能力だろう?」
…まぁ一理ある。
何せ彼女は私にそっくりなのだから。
__後で問いただすしかないか…
「…眠たいわ!」
「ああ、そうだった。 中也、私エリス上に触れないからおんぶお願い」
「…ああ」
「Aちゃんは自分で歩けるよね。 何せ中身は大人なんだから」
「織田作おんぶ〜」
「ああ、分かった」
「織田作!?」
「太宰君、無駄です。 あなたはおとなしく黒猫を抱えなさい。 私は皆さんのお土産を抱えるので精いっぱいなんですから。 ああ、それとも変わってくれますか?」
「…ほら、おいでぇ〜」
ついでにエリス嬢が太宰を殴った時には直接触れてなかったのでセーフだ。
…なんというか、波動。
__あれ? もしかしてここから拠点まで徒歩?
「A、腕は大丈夫か?」
「中也さん、心配してくれてありがとう。 問題ないよ」
そういえば私まだ退院してないんだっけ。
こんなに体動かしたって知られたら先生に怒られるだろうな…
まぁいいか。 すべて太宰のせいにしよう。
おんぶしてくれなかったんだからそれくらいしていいだろう。
織田作の背中に揺られること数分。
時間も時間で、私は眠りに落ちてしまった。
__太宰side__
「寝た?」
「ああ、寝たぞ?」
「…で、話って何ですか? 呼び出しておいてあなたが迷子になったので何も聞いてないんですが」
「話?」
ああ、中也はおまけだからね。
知らないのも当たり前だよ。
「実は首領の命でAちゃんの素性を調べたのだよ」
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みぃ(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» !? すみません、コメントに気がついて居ませんでした!! 遅くなって申し訳ございません! あら、そうなのですね、知りませんでした。書き換えて起きますね! (2018年4月3日 18時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - 13話を見て思ったのですが、ユリの花は匂いが強く花が下向きに咲いていて縁起が良くないのでお見舞いには向いていないですよ。 (2017年9月17日 23時) (レス) id: 343bba7f6a (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 由由由さん» おお! こっちにもコメントくださいありがとうございます! 頑張りますね! (2017年8月1日 8時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
由由由 - 面白い!続きが楽しみ! (2017年7月31日 17時) (レス) id: 1589b544b5 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 藤猫さん» コメントとご指摘ありがとうございます! 矢張り夜中に更新すると誤字が増えますね…ありがとうございました!! (2017年3月30日 10時) (レス) id: 7206b13d0b (このIDを非表示/違反報告)
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