十尾 ページ34
「ちっ、十尾に好き勝手やらせるな！」
「分かっている」
マダラとオビトが十尾を操ろうとする。が、その横顔にそれぞれ蹴りが炸裂した。
「残念だなぁ。お前らの相手は俺らがしてやるよ」
「さっきの、第二ラウンドと行きましょうか」
「楽しくなりそうだねぇ〜」
「お手柔らかに.....」
「ここで『裏』との最終決戦と行こうぜ.....！！」
レン達がマダラとオビトに立ち向かう。
私が十尾との戦いに集中できるように。
「っ、やばっ」
十尾はさっそく尾を振り下ろし攻撃を開始する。
いいね、鬼らしくなってきた。
地を蹴り飛翔する。
戦いにおいて、上をとることは有利となる。
「反撃、しますか」
札を構え、魔法陣を出現させる。連弾幕の準備だ。
絶対防御をもう一度見る。大丈夫、まだ作用してる。流れ弾はない！！
十尾が再び尾を狙うその瞬間に、光、弾幕を発射させる。それも幾重ものの。
確実に当たってはいるが、さすがは十の存在。かすり傷を追わせる程度だ。
今度は巨大な腕が私を掴みにかかる。
後に下がりながらそれを避けていく。大丈夫、見切れる。
トン、と背中がぶつかった。
.....岩壁.....！！
「しまっ、」
気づいた時にはもう遅い。
十尾の重い手は、私の体を岩へ押し付けた。
「Aっ！」
「っ、あっ.....」
血反吐を吐くほどの痛み。
────だけど、
私の体は何枚もの札となって一斉に十尾から飛び去っていく。
まるで鳥の群れのように。
それは私であって、私ではない。
十尾はその札をむしり取った。
赤子が癇癪を起こしたように。
瞬間、飛び去る札達が一斉に進路を変え、十尾の体という体に巻き付く。
あの巨体でも、動きを止めるのなら十分な札の枚数だから。
「惜しいね、それもダミーだよ」
舞い落ちた残りの札を集め、私を元に戻す。
そこは、十尾の目の前だった。
十尾は札の鎖を外そうと躍起になるが外せない。
なんてったって『五番・封印鎖』だからね。
強力だよ、君から生まれたこの力は。
私が育てた、この力は。
けれど、それももう終わり。
「鬼ごっこも、もう終わり」
ピリオドを、打ちましょうか。
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2018年7月22日 18時
