刑定 ページ22
「では、ソラよ、この紙の意味は？」
既に相談役へと回っていたあの白紙。
マダラから渡されたものを写本し、五影に配布されていた。
「.....最近、調べごとをして、わかったことがあります」
「ほう、その調べごととやらは？」
「.....っ、裏街炎上の、真実を」
上役達がざわめきだす。
今頃か？等という声も聞こえる。
「ずっと、気になっていたのです。
たとえ里の上役だとしても、影の承諾なしに、それも五つの国でほぼ同時に裏街炎上を実行させることが出来るのかどうか、と。
そして今、その計画は暁によって支配されていたことが判明しております」
「暁だと.....！？」
「はい。
瞳術にあるそうですね？人の精神に入り込み、本人も気付かないうちに自らが支配される術が.....。
それに、数人は掛かっていたと思われます。
そして、この意味.....」
一人の上忍に命じて、元の手紙の文字を映し出させる。
「暁のこの宣戦布告の言葉、それをAさんは消して返した。
つまり、これが示すものは、
────『全てを、白紙に戻そう』」
白紙に戻す。
暁が裏街へ行ってきたこと、炎上の件も最近の手出しにも、全てに終止符を打つということ。
あれほどの短時間、そして俺やカンクロウのいる目の前で、Aはそれをやってみせた。
更に他の会長達にも意味が伝わるように.....。
「ふん。皮肉な頭脳だ」
「とにかく大事なのは、Aの立ち位置だ。
あやつが何を考えているのかは分からんが、
もしAが、どんな形であれ我らの里に手出しをしてきた時には.....
死刑で、よろしいですね？風影様」
「.....理由を聞かせろ」
「A達と暁の交戦により、甚大な被害が出ることは間違いないと見ていいでしょう。
五会長の力は未知数。何が起こり、何を起こすかわからない。
更に、本来、監視下に置くはずの裏街をこれだけ見逃しているのにも関わらず、裏街を捨てて逃げた。
これは立派な反逆罪ですぞ！！」
古参の上役達がその言葉を聞き騒ぎ出す。
まるで、Aの死が確定したかの如く。
「.....っ」
ソラは再び俯き、目を赤くしていく。
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2018年7月22日 18時
