【灰谷蘭】タイプだから生かされた

最終話 ページ29

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「1時間後にいつもの駅来れるか？」

「ごめんなさい無理です」

「チッ。いつ空いてんだよ」



突然の呼び出しを断っても、もう「殺す」と言われることはない。

なぜなら私は蘭さんの犬ではなく、"恋人"だから。

私は電話越しに笑うと



「2時間後なら行けますよ」



と言う。蘭さんは嬉しそうに「なんだよ〜」と言っている。

かわいい。

今なら胸を張って言える。

灰谷蘭は、かっこよくて、色気があって、かわいくて、(多分)優しい。

私は灰谷蘭のことが好きだ。

認めてしまえば案外楽になるものだ。

彼氏が反社であるということが気にならないわけじゃない。

むしろ毎日のように気にしている。

でも、蘭さんへの好意の方が勝っているから、私は蘭さんについて行く。



「好きですよ、蘭さん」

「は、おま、もう1回」

「大好きですよ」

「今日の夜覚悟しとけよ。んじゃ2時間後」



お父さん、お母さん、ごめんなさい。
私の彼氏は闇社会の人間です。

でも私は、彼のことが大好きです。



「よし、支度するか〜」



蘭さんはきっと、色んな人から恨みを買っているだろう。

だから、絶対に私が守ってみせる。

できるか分からないけど……。

でも少なくともこれだけは心に決めている。


どんなときでもそばにいる。

蘭さんが辛い時も、病んでいる時も、たとえ誰かを殺したとしても、ずっと＿＿＿＿



fin.

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