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あの後私とエリスちゃんは、ケーキを食べたり、紅葉さんと一緒にマフィア本部のビル内を探検したりした。
少女は終始笑顔を絶やさず、明るい声で名前を呼んでは楽しいわねと言葉をかけられた。実は泣くのを堪えるのに必死だったと一体誰が気付くだろうか。
必要とされること。気遣われて、笑いかけられて、愛されること。それは生きていくにあたって素晴らしく大切な実感だった。
『なにも、頑張ってないのになあ...』
森さんに用意してもらった執務室のベッドに潜って、ぽつりと呟く。喉から零れたそれは思っていたよりも随分掠れていて。窓から差し込む月の光以外の明かりがないこの部屋で、暗い夜闇に溶けていった。
正直、ずっとこの世界に居たいと思ってしまう。
もしかしたら神様が与えてくれたチャンスなのかもって。元の世界での私の努力を、神様だけは見ていてくれたのかもしれない。やり直してもいいと言われている気がした。
そんなわけないのにね。
例えば本当にそうだとしても、また失敗して壊れてしまう可能性があるのなら、そんな博打は打ちたくない。元の世界に戻ってさっさと死んでしまう方が余っ程いい。
私はそれくらい臆病なんだよ。
普通の、女の子なんだよ。
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苗代(プロフ) - 斜陽族さん» コメントありがとうございます。最後の最後に一気に更新したので、急ぎすぎてしまった感じは否めませんが、そういって頂けて本当にありがたいです。環境がら多忙なことに変わりはありませんが、これからも作品を書き続けていくつもりなのでどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月3日 11時) (レス) id: 4044429dac (このIDを非表示/違反報告)
斜陽族 - 読み終わってとっても感動しました!こういう深いお話好きです。発想力があって尊敬してしまいます。これからも無理のない程度に頑張って頂けると嬉しいです! (2019年1月3日 10時) (レス) id: 4feb0da943 (このIDを非表示/違反報告)
苗代(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございます。現在とても忙しい状況で、当作品も含め連載中の作品全て手がつけられていないのですが、そろそろ更新を再開していくつもりなのでどうぞよろしくお願いします。 (2018年12月26日 11時) (レス) id: 4044429dac (このIDを非表示/違反報告)
マッキー(プロフ) - 更新頑張ってください! (2018年12月25日 22時) (レス) id: 0346650c4f (このIDを非表示/違反報告)
苗代(プロフ) - リツさん» ご丁寧なコメントありがとうございます。主人公の設定は私を自己投影して作成している面が大きいので、読者の方にそう言って頂けてとても嬉しいです。ぜひ最後までお付き合い下さい。 (2018年11月21日 17時) (レス) id: 4044429dac (このIDを非表示/違反報告)
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