【神威】は つ じ ょ ー う さ ぎ .

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「き、今日は、エイプリルフールかなんか？」


『ううん、８月３日』


「俺、耳悪くなったの？」


『わからないけど、多分違う』









「……………赤ちゃん、出来たの？」



『私の不注意で…、ごめんなさい』






とても申し訳なさそうに、Aは視線を伏せ、俺の手を握る。
その手は小刻みに震えていて、それを隠すように手にグッと力を入れていた。






『ほんとにごめんなさい




出来た子には申し訳ないけど






神威が嫌なら、……おろすつもり』





眉間にシワを寄せ、悲しそうな表情を浮かべるAをグッと抱き寄せ、今までに無いほど強く抱きしめる。







「なんで謝るの、嫌なわけないじゃん




嬉しすぎてヤバい、泣きそう」





Aを抱きしめる腕に力を入れて、さっきよりももっと強く抱きしめるのは
視界がぼやけるのを誤魔化すため。

俺が泣いてるなんて、Aが知ったらきっと笑うだろ？





『え、迷惑じゃ…』


「何言ってるの！

迷惑だと思ってるならAとあんなコトしないし


俺だって、後先考えずにしてる訳じゃないよ





ほんとに嬉しい


ありがと、A…」




気を抜くと流れ落ちそうになる涙をこらえ、鼻を啜るっていると、
俺の背中にも、Aの手が回ってきた。





『ううん、良かった


私、神威にから嫌われたらどうしようかと』



「何があっても嫌いになんてならないよ




女かな、男かな」




『そんなすぐにわかんないよ』





さっきの暗い表情とは打って変わって
笑顔で話すA。
その目元と鼻は、ほんのり赤色に染まっていた。

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