好きだ。 ページ35
『お、起きてください…、団長っ』
清々しいとは思えない人工の光と
ゆらゆらと揺すぶられる感覚
そして、耳に心地いい鈴のような少し高い声で
何時もよりも数倍重く感じる瞼をこじ開けると
目の前にいたのは
俺の愛しい人。
首をボキボキと回しながら上体を起こし、ボヤける視界をハッキリさせるために目を擦ってみると先程よりも明るく感じてしまう部屋の灯り。
Aは既にチャイナ服を着ていて、僅かに覗くAの白い首筋には
きっと俺が残したんだろう赤い跡が残っていた。
「…っ」
ハッとしたときに思い出してしまう昨日の"出来事"。
思い出してしまったからには、もう忘れることなんて到底できなくて
とにかく他のことを考えよう、と思っていても
やはりなんらかの関連で昨日の言葉に繋がってしまう。
「(忘れろ、忘れろ、忘れろ)」
暗示のように自分に心のなかで唱えても効果は0に等しかった。
焦る俺を心配してくれたのか、Aは眉間に皺をよせて俺の顔を覗きこむ。
『顔色…、悪いですよ?』
「うわっ」
俺が驚いてしまったのは、顔の距離があまりに近かったから。
今までこんなんで照れるなんてことなかったのに。
それはきっと、昨日のせいだ。
近くにあったAの赤い唇。
揺れる赤い瞳。
薄く色づいた頬。
それだけで俺の心臓は音が聞こえてしまうんじゃないかってくらい脈打ってしまっていて。
「っごめん、何でもないよ…」
『そうですか?
なら、いいんですけど…』
…Aの様子からして、昨日のことは気にしていないのか、忘れてしまっているのだろう。
良かった。
これで覚えられていたら俺はどんな反応をしたらい『昨日のこと、覚えてませんか?』
え、
ナンノコト?
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ジュリア - チョー面白かったッス!今までにないタイプッス! (2018年8月5日 18時) (レス) id: 4e303567c9 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - なふこさん» ログインはされてますか…?ログインをして、設定で18歳以上のところにチェックをつけると見れると思います! (2017年3月12日 20時) (レス) id: e7ade57efa (このIDを非表示/違反報告)
なふこ - R18の方が見つからない… (2017年3月12日 19時) (レス) id: ecbfde8cbb (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 幽々 / 燐 .さん» ありがとうございます!(..)御馳s…聞かなかったことにします。(笑)今まで本当にありがとうございました! (2017年3月12日 15時) (レス) id: e7ade57efa (このIDを非表示/違反報告)
幽々 / 燐 .(プロフ) - 完結御目出度う御座います!。神威推しの私には御馳s … いえ、何でもありません。御疲れ様でした! (2017年3月12日 14時) (レス) id: a440895cba (このIDを非表示/違反報告)
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