遺伝子格差世界【d!】

�� ページ10

貴方side



「君は、、“人間“であると言うのは本当かね？」


『はっ、、はい。』


真剣な声で、男性はそう聞く。
その質問に少し緊張しながらも答える。
すると、男性は


「それは良かった。」


と呟いて少し考え込んだ。
そして、


「突然申し訳無いのだが、少々俺の話を聞いてくれると助かる。」


男性はそう言うと、椅子から立ち上がり、窓の外を見ながら身の上話を始める。
それを真剣に聞き入る。


「俺の家は所謂、名家と言うものらしく、その家に産まれたからにはその家のルールに従わなければいけない。決められた友人、決められた学校、結婚相手すら両親に決められてしまうのだよ。」


『、、はぁ。』


「俺だって自分の人生、自由に生きてみたいのだ。一度でも良いから親に左右されずに何かしてみたい。友人と遊んだり、買い食いしたり、バイトとやらもしてみたい。あと出来ればこの家から出たい。だが、それは無理な話なんだ。」


「そこでな。一つだけ、俺が自由になる方法があるんだ。」


もう私に関係ない話をされている様に感じる。
一体この人は私にこんな話して何になるのだろうか。
真剣に聞いていたものの、段々と聞き流すようになっていた。


「お前、、俺と結婚しないか？」


『あーそうなんですね。大変でしたね。』


「お前話聞いてないな。」


続く

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