あったかいお紅茶を【オリジナル】

混血 ページ34

「血が混ざると鬼としては弱くなり、人間としては強くなりすぎてしまう。どちらの世界でも馴染めない。結ばれるだけならまだ良い…別れたとしても住む世界、居場所がある」
あれ…ちょっと真面目な話になってきた？
蜘蛛の巣とかどうでもいい雰囲気になってる…


「俺の親は駆け落ち同然やし、家には戻れへんけどね。ほんま、何しとるんだか」
三人の手は完全に止まってる


「馬鹿者、親を悪く言うな。そもそも鬼と人間が混ざることはそう珍しいことではない。たまたまあの家が血に厳しかっただけだ。」
珍しいことじゃないのー！？私の友達鬼と人間のハーフなの〜って一度も無いからね。無いよ。ない。

少なくとも24年の人生じゃ見たことないよ…うん


鬼化した朱陽さんを見たことがないからなー…もしかしたらハーフ見たことあるかもしれない

「せやけど、俺も俺の兄弟も母ちゃんのいる間は人間として暮らしとったし、どっちのじいちゃんもばあちゃんも見たことがあれへんし、これでええんやないかなあ…」


「私も鬼と人間のハーフに産まれてみたいなあ…」
ポツリとそう言うと

「やめといたほうがええよ」
同じトーンで朱陽さんが言った

「そうですかねぇ…？」
ぐだーっとした会話をしながら朱陽さんのふわふわの赤毛についた蜘蛛の巣を取ろうと背伸びする
意外と身長あるなぁ…


「なに〜なんなん〜…急にどないしてん…？」
驚いたのか完全に固まった朱陽さんは不安そうな声を上げる
まったくよ〜こんな可愛いのが200年も前から存在してたとか考えるだけで幸せだろ〜〜〜

「蜘蛛の巣がついてて…」
もうちょっとストップですよ〜とホコリまみれの蜘蛛の巣を取ってく

「言うてくれたら自分でとったのにい」









それをじっと見つめていた純血の鬼が一人。それから二人

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