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陸拾 ページ20

「歴史どおりに着々と動き出しているよ」

「次は2人目か…にゃ」

「うん、2人目の子だね」

「自分から言ったのはなんだがよ…こういうの見たくないにゃ」

「…」


ひとつの振袖から始まったこの大火災は、十万の人々を焼き、何十個何百個の刀を焼いた。
それだけじゃない、たくさんの悲しさをこの世に残していった。
正直、南泉は見たくなかった
折角の晴れ着がまさか呪われているとは言い過ぎだが、そのような事になっているなんて誰が知っているだろうか。自分なら、それを知った時点で見たくもない。

「敵打刀と敵短刀の接近を確認したよ」

「おう、行くぜ」

振袖を女から取ろうと出てきた遡行軍を、市民が見ることの無い影がさしたところで難なく倒していく。
江戸の町の家々は壁が薄く、音が届きやすい。
できるだけ、静かに、より早く行動を起こさなくてはならない。

「んで?政府はこれをどう見てんだにゃ」

「うん、振袖事件が怒らないとなると約十万人が助かる。そのため後の戦い…戊辰戦争や第一次、二次世界大戦に置いての戦力にしようと考えているのではないか…だってさ」

「世界大戦が終わりゃ俺達は刀狩で焼かれるかもしれないにゃ…なら余計に焼かれ……っておい!もしかして、それが狙いか…にゃ!?」

「恐らくそうだろう。遡行する時点で彼らにとって邪魔者は僕達刀剣男士や審神者。審神者は比較的戦闘技術はあっても戦闘能力まではない。ならその戦闘能力を持つ刀剣男士を一振でも排除すればいいだけ…そうすると改変だってしやすし、戦いやすい」


それなら、余計にこの歴史は守らなくてはならない。南泉はそう感じた。そして、思った。確かに、人間にはあれやこれやと嫌な記憶や歴史がたくさん過去にあるだろう…しかし、過去を変えていいのは過去の人間であって、過去の遺産である自分達では無いこと。
そして、一度起こってしまえばどんなに挽回しようと無理がつく話であり、取り返しは絶対につかない。

「僕はね、確かに徳川に居た。辛いことも嬉しいことも徳川と一緒に感じてきた。だからこそ、僕は変わって欲しくない。僕が知りうる徳川はこんなに、臆病では無いからね」

「当たり前だ、にゃ。俺も徳川の刀だ」

「…そうだね。さてと、続きをしよう。それから合流だ、いいね?」

「応」

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東雲 - この作品大好きです!ゆっくりでいいので続きを楽しみにしています(*^^*) (2021年4月13日 21時) (レス) id: 3d369926d3 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - お疲れ様です!のんびり待っててよかったです^^ (2020年1月31日 0時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ヤバイ好きだぁぁぁぁ…!更新頑張ってください!! (2019年5月13日 22時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄月@刀アカ - ぎゃぁぁぁ!!神作品を見つけてしまった!!更新頑張って下さいっ! (2019年5月13日 15時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
自由陣(プロフ) - おお!ありがとうございます!覚えてますよー、ティッシュの方!最初のところの研究者の江成ちゃんは研究熱心…(?)の域を彷徨ってます← 更新頑張りますよ〜! (2019年4月29日 20時) (レス) id: b178f06fe6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:自由陣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/  
作成日時:2019年4月28日 15時

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