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人間は何故同じものを量産し続けるのか考えたことはあるか？
何故、同じような作りのものを作り、同じようなものを使うのか
一つだけでいいというのに、なぜ作るのか
小烏は影からあの兄弟を見ていた
微笑ましくて、絆が深そうで、些細なことも許し合うことが出来るような兄弟だ
自分にはないものだった
自分に弟はいない
微笑ましいとは思われない
絆なんてこれっぽっちもない
あぁ、羨ましいな、あの二人は
生まれた時、親である刀工は小烏のことを話した
それを小烏はどう思っただろう
どう考えただろう
『小烏。よく聞くんだ。お前は源氏の重宝髭切の写だ。本歌様には失礼のないようにしなさい』
『そしてもうひとつは、その髭切の弟刀の膝丸の代刀だ。二振一具が源氏の重宝においては重要だ。今や、膝丸は離れてしまった』
『だから、お前は代わりとして髭切のそばにいなさい』
自分が写であること
代わりでしかないこと
大切に思われていないこと
小烏は生まれながらにそれを人間に無理やり押し付けられた
まるで窮屈な鳥籠に囚われているかのようだ
苦しい、悲しい
小烏が考え事から意識を取り戻せば二振りはいなかった
当たり前だ、陰ながらに見ていたのだ。気づくはずがない
『……いたい…』
小烏のなかで何かが込上げるような、突き刺さるような感覚が起こった
しばらく待てばそれは収まった
なんだったのだろう、今のは
知らない感情だろうか、病だろうか
『……』
しかし、小烏は何事も無かったようにその場を離れるだけだった
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中原三日月(プロフ) - 源氏兄弟と写しの心境がとてもよく分かり素敵なお話で考えさせられます。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月19日 17時) (
レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - とても素敵なお話で楽しく読ませて頂いてます!!髭切と暗めの話が好きな自分にどストライクの小説で更新されるたびにワクワクして読んでいます！これからも更新頑張ってください!! (2019年8月19日 17時) (レス) id: e0cbedd7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：自由陣 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時：2019年3月25日 16時
