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小烏は困惑していた
現在、昼
場所、武道場
現在配置場所、ソハヤノツルキの脇
つまり、俵担ぎのようなことをされ、蔵から出され道場にいるのだ
一瞬の出来事だった
蔵の扉が開かれるとソハヤノツルキが自分と本体を持ち、そそくさと走るのだ
もがこうが暴れようが無理であった
「小烏、手合わせを髭切として欲しいんだけど」
『…小烏が？』
「おう」
もちろん練習なので木刀を使うが、小烏は嫌がった
本科と戦うなんて恐れ多い
自分みたいなひ弱なやつより、強い方が練習になるはず、と
「ま！物は試しだ。小烏。やれよ！」
木刀を持たされ、道場の中心部に立たされる
嗚呼、逃げたい。この場から、本科の前から
その考えが動きに出たのか膝が笑うのだ
またあの時のように、仕打ちがされるのではないのだろうか…
「始め！」
実戦刀ではないが、やれる分だけのことはやろう
"あの頃"みたいに弱いままは嫌だ
誰かに何かをされるのは嫌だ
目の前に髭切が迫っている中、小烏は跳躍して髭切の後ろに立った
そして、木刀を薙いだ
それは髭切の木刀に当たったが跳ね返すほどではなかった
元来、烏はﾀﾋに近い生き物として昔から嫌われていた
だが、それとは裏腹に烏は鳥の中で頭が良い動物とされて認識もされている
『(自分は本科と同じ太刀だ。なら、苦手な部分だってわかるｯ！！)』
ステップを踏むかのように軽やかに迫り、脇腹を集中的に狙うと思いきや、次いでとばかりに腕、足を狙う
攻撃されそうになれば跳躍、そして、接近それを繰り返しやっているうちに小烏は周りが見えなくなった
集中しているために周りの声も息遣いも聞こえない
『……そこｯｯ！！！』
ｶﾝｯ
小烏が狙いを定めたのは手首
そこを叩けば髭切は木刀を落とした
集中が切れたと同時に嗚呼、やってしまったと小烏は感じた
本科より目立ってはいけないのに、強くなってはいけないのに
嗚呼、どうしよう。また、あの罵倒を浴びせられるのだろうか？
髭切が近づいてくるのがわかり目をつぶった
「うんうん、強くなったねぇ。小烏」
ぎゅうっと抱き締められる自分
何が起こっているのかわからず困惑する
ついでと言わんばかりに撫で始める
まって、私はあなたより弱くないといけない
怒っていいんだよ、そんなに笑わないで
なんで褒めるの…？
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中原三日月(プロフ) - 源氏兄弟と写しの心境がとてもよく分かり素敵なお話で考えさせられます。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月19日 17時) (
レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - とても素敵なお話で楽しく読ませて頂いてます!!髭切と暗めの話が好きな自分にどストライクの小説で更新されるたびにワクワクして読んでいます！これからも更新頑張ってください!! (2019年8月19日 17時) (レス) id: e0cbedd7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：自由陣 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時：2019年3月25日 16時
