目覚めは喰種 【霧嶋絢都】

喰種と遭遇 ページ22

「あれえ？こんな所に人間？」



人間？と問われて判った

この人……喰種だ

全身が包帯だらけで、何だか不気味な吹いた雰囲気を漂わせる



『あ、えっと…』



なんて言おう

自己紹介？だめだこの人喰種


ここはアオギリですか？探ってんのばれる


アヤト君どこですか？単刀直入かよ

うあああ国語勉強しとけばよかったああ(？)



『あ、あの…』


「あはは、いきなり話しかけられたらびっくりしちゃうよね」


『えっ…いや、はは…』



困る、反応に困る



「あなた、気づいてるよね？」


『何がです？』


「私が喰種ってこと」


『…っ』



なんて勘の鋭い喰種なんだ

私これから食べられるのかなあ



「それにしても不思議…私が喰種だと知っても逃げ出さないなんて」



そりゃあ喰種と生活していたわけですし？

いつだって死と向い合せだったから



「んー、決めた！貴方は殺さない」


『へ？』


「だって面白そうなんだもの」



「ねっ？」と私に反応を求めてくる

いや、私の後ろを見ている


後ろぉ？？？



ゆっくりと振り返ると、さっき部屋をのぞいた時に見た人が立っていた

無言でこくこく頷いている



「この人も喰種なんだよ、知っていたと思うけど」



やっぱりか…

それにしても、人間を見て殺さない喰種なんているんだな

不思議



「しっかしこんな人気のないアオギリのアジトなんか見つかっちゃうんだね」



¨アオギリ¨

やっぱり…間違いない



『あの…教えていただきたいことが』


「なあに？」



聞いてもいいだろうか

ごくりと唾を飲み込む



『アヤト君…今、どうしているんですか？』



包帯の喰種が途端にクスクス笑うのをやめた

やがて一歩、もう一歩と私に近づいてくる



包帯の喰種は、暫くすると顔を少し突き出して鼻を動かした

…匂い、嗅いだ？



「うん、近頃のアヤト君の匂いだ…ついてきて」



成程、そういうことか

私とアヤト君は同居中

当然香りも同じになってくる


だから匂いを嗅ぐことによって私とアヤト君の繋がりを確認したんだ


…これが理解力の無い喰種だったら、私今生きてなかったかもしれない(汗)

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