オトします。 ページ10
結局何も出来ないまま、1週間が過ぎた。
「はぁ……」
今は未結を僕のベッドに寝かしつけようとしている。
夜なのに元気いっぱいな未結は、布団でキャッキャと遊んでるんだけど…。
あれから1週間。
僕とAの距離は縮まるどころか、遠ざかっているように感じる。
話しかけても会話はすぐ途切れてしまうし、
相変わらずご飯は一緒に食べてくれないし、
一緒に寝ようと誘っても断られた。
……正直、もうどうしたらいいかわからない。
オトす、なんて言ったけど
Aがあまりにも取り合ってくれないし。
もう、このまま関係を修復するのは不可能なんじゃ…
と考えてしまう今日この頃。
ううん、だめ。
弱気になっちゃったら、出来ることも出来ない…
とりあえず、今日は未結を寝かしたら作業でもして気分を変えよう。
ぱちっと両手で軽く頬を叩いて、自分に喝を入れた時。
突然空がぴかっと光り、すかさず大きな音が地響きのように響き渡った。
「わっ!?」
「わー!ぱぱ!!ごろごろ!!」
いきなりでびっくりしてしまった…。
てか未結、雷平気なのか…。
「ごろごろだね〜。
あれはかみなりっていうんだよー?」
「かみにゃり!!
きゃっきゃっ」
さらにテンションの上がった未結をベッドに寝かせて、頭を優しく撫でて眠気を誘おうと試みる。
雷で喜ぶ子どもって珍しいのかな?
普通は怖がると思うんだけど。
そういえば、Aも雷か苦手でよく毛布にくるまって震えてたなぁ…。
未結は平気なんだな。
昔のAの姿を思い出して微笑ましくなった時、はっと気づく。
ひょっとして、今もこの雷が怖くて部屋で震えてるんじゃ…
昔、ぷるぷると震えていた彼女を思い出してぎゅっと胸が締め付けられた。
外ではまだ騒がしく雷が鳴り響いている。
結構近いようで、大きな音と大きな光でちょっと僕でも怖いくらい。
未結はこの雷の中、すうすうと寝てしまった。
いや強すぎでしょ…。
完全に未結が寝たのを確認すると、僕は自室を飛び出してAの部屋へ向かった。
待っててね、すぐ行くからね。
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夢菜 - 滅茶苦茶好きな感じの作品です!のんびり待ってます!(プレッシャーになったらすみません) (1月12日 22時) (レス) @page19 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
りーな(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になるぅぅ!! (2022年12月11日 10時) (レス) @page19 id: 58a7f79ac7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お、終わり…!?続きが気になる…(´;ω;`) (2022年12月7日 19時) (レス) @page19 id: 060f5591e6 (このIDを非表示/違反報告)
いるよ - 私も本当に最近読んで、ウハウハしてたのに終わってしまいました…妄想で完結してます…今でも続き待ってます… (2022年12月5日 19時) (レス) id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 終わり!?!? (2022年2月3日 8時) (レス) @page19 id: a027da1c3b (このIDを非表示/違反報告)
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