1本目。 ページ2
*Aside*
「よい、しょっと」
たくさんの重いダンボール箱を、部屋の1室に詰め込んで額の汗を拭う。
腰が折れそうなほどに重かったダンボール箱を一睨みし、すとんっとフローリングに座り込んだ。
ここは、東京都のとあるマンション。
最近出来たばかりの真新しいマンションなので、部屋は綺麗。
今日引越してきたばかりのあたしは、これから自分の城となる部屋をぐるっと見渡した。
あたしが今いるリビングには小さめのローテーブルと2人用のソファ。
それに少し小さめの薄型テレビ。
キッチンは茶色が基調とされていて、木の温かみを感じる。
小さめの冷蔵庫に、戸棚が1つ。
その場から立ち上がり、玄関へ進むと通路にはトイレとお風呂の部屋。
それとシングルベッドが置かれた寝室。
リビングに戻り、奥の方へと進みドアを開けると。
あたしの仕事場になるであろう、防音仕様になっている特別室。
うん、いい感じ。
全ての部屋の偵察を終えて満足したあたしは、早速ダンボール箱の中身の整理を始めた。
びりびりとガムテープを剥がし、中に入っている機材を取り出す。
パソコンやらマイクやら、PS4やらWii Uやら…。
なんでこんな物珍しいものがたくさん出てくるかといいますと、あたしはちょっと変わったお仕事をしてまして。
まぁこの仕事のせいで家から追い出されちゃった訳なんだけども。
あたしのお仕事は、ゲームを実況している動画を撮ってサイトにアップするというもの。
世にいうゲーム実況者ってやつ。
家で大声出しながら実況してたら、家族に大クレームを受けて一人暮らしを始める事になりました。
「結構成り行きで上京してきちゃったけど、結構楽しみかも」
一人でニコニコ笑いながら機材を並べているあたしは心底気持ち悪いんだろうなぁ。
頬が緩むのをぐっと抑えながらも、新生活に胸を膨らませた。
ぴんぽーん
丁度荷物整理が一段落ついたところで、玄関のチャイムが誰かがやって来たことを伝える。
「あれ、まだ荷物あったかなぁ…」
宅急便の制服を着た人を思い浮かべながら玄関をがちゃり、と開けた。
「あ、あの…
こ、こんにちは…」
そこには見覚えのない黒髪の男の人が立っていて。
「あのー…
どちら様ですか?」
これが、お隣さんとの出会いだった。
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リみみ - ぽきさんは北川大雅です!上からでごめんなさい (2018年6月7日 20時) (レス) id: e4407b93c6 (このIDを非表示/違反報告)
ミルコ(プロフ) - 名無し君さん» (確かに…)て、テンパってそこまで頭が回らなかったということで!! (2017年6月9日 7時) (レス) id: 8f15edc2e9 (このIDを非表示/違反報告)
ミルコ(プロフ) - ミッキーさん» まぜちゃん… (2017年6月9日 7時) (レス) id: 8f15edc2e9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し君 - 鍵って大家(管理者)に頼べば合鍵で開けてくれるのでは? (2017年6月9日 7時) (レス) id: 3a9ab4d4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー - 『黄身ちゃんをヘラちゃんでまぜちゃん。』 (2016年12月1日 23時) (レス) id: b0dbcdb014 (このIDを非表示/違反報告)
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